いっきじっき【一饋十起】
一回の食事の間に、十度も席を立ち上がる意。熱心に賢者を求め迎えるたとえ。▽「饋」は食事の意。「一饋いっきに十起じっきす」また、「一饋いっきに十とたび起たつ」と訓読する。
きじせんもく【貴耳賤目】
伝聞やうわさを軽々と信じて、実際に自分の目で見ているものを信じないこと。また、伝え聞いた遠くのことや過去のことは重んじるが、身近なことや現在のことは軽視すること。耳で伝え聞いたことは尊ぶが、実際に目で見たものは軽んじる意から。▽「賤」はいやしみ軽んじる意。「耳みみを貴とうとび目めを賤いやしむ」と訓読する。
しゅうちてってい【周知徹底】
広くすみずみまで、きちっと知れわたらせること。▽「周」はあまねくの意。「周知」は広く知れわたっていること。
ちゅうげんぎゃくじ【忠言逆耳】
本気でする忠告とは、聞かされる方の耳にはあまり心地よいものではないが、後で必ずその人のためになるものだということ。
ちょうもくひじ【長目飛耳】
⇒ ひじちょうもく(飛耳長目)
ていじめんめい【提耳面命】
懇切に教え諭すこと。相手の耳を引き寄せ、口を近づけて言い聞かせ、面と向かって教え諭す意から。▽「提耳」は耳を引き上げ寄せること。「面命」は目前で言いつける、目の前で教え諭すこと。「耳みみを提ていして面まのあたりに命めいず」と訓読する。
ばじとうふう【馬耳東風】
他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すことのたとえ。もとは春風が馬の耳に吹く意。人が心地よいと感じる春風が吹いても、馬は何も感じないように見えることからいう。▽「東風」は東から吹く風。春風のこと。「東風、馬耳を射る」の略。
ひゃくはちぼんのう【百八煩悩】
人間が過去・現在・未来にわたって経験する多くの心の迷いや苦しみのこと。▽「煩悩」は仏教用語で、人間の心身をわずらわし悩ませる迷いの心の意。それが全部で百八種類あるという。
へいこうかんかく【平衡感覚】
からだのバランスを保とうとする感覚。内耳の前庭と半規管がこれを司つかさどる。転じて、一方にかたよらない考え方や感じ方のこと。
もくしょくじし【目食耳視】
見た目にとらわれ、味よりも外見が豪華な食べ物を選び、世間の評判を気にして衣服を選ぶこと。衣食の本来の意義を忘れて、ぜいたくな方向に流れていくこと。▽「目食」は口に合うかではなく、見た目が豪華なものを食べること。「耳視」は世間のうわさを気にかけて、自分に似合うかでなく、高価な衣服を着るということ。「目めもて食くらい耳みみもて視みる」と訓読する。「耳視目食じしもくしょく」ともいう。