いばんじゅうてき【夷蛮戎狄】
中国の周辺部の異民族の総称。四方のえびす。「東夷とうい、西戎せいじゅう、南蛮なんばん、北狄ほくてき」を略したもので、四方それぞれの方角の異民族の名称。▽漢民族が異民族を卑しんで用いた語。
がでんいんすい【我田引水】
他人のことを考えず、自分に都合がいいように言ったり行動したりすること。自分に好都合なように取りはからうこと。自分の田んぼにだけ水を引き入れる意から。
けいぎょくのかん【桂玉之艱】
よそから物価の高い都会に来て、生活難に悩みながら暮らすことのたとえ。また、都会に出てきて苦学することのたとえ。
だんしょうしゅぎ【断章取義】
書物や詩を引用するときなどに、その一部だけを取り出して自分の都合のいいように解釈すること。▽「章」は文章。また、詩文の一編。「断章」は文章の一部を取り出すこと。「取義」はその意味をとること。「章しょうを断たち義ぎを取とる」と訓読する。
なんこうじんちゅう【輭紅塵中】
華やかで、にぎやかな都会の様子。▽「輭」は「軟」と同じ。「輭」はやわらかい花びら。転じて、都会の華やかな雑踏の形容。「紅」は華やかな印象を与える色。「塵中」は車馬の行き交う際に舞い上がる塵ちりやほこりの中の意。
なんこうじんちゅう【軟紅塵中】
都会のにぎやかな繁華街の中。紅塵。
なんとほくれい【南都北嶺】
奈良と比叡山ひえいざんのこと。また、奈良の興福寺こうふくじと比叡山の延暦寺えんりゃくじのこと。▽「南都」は奈良のこと。奈良には仏教の大きな派閥が六つあったが、法相宗ほっそうしゅう興福寺はその代表。「北嶺」は比叡山のこと。延暦寺の僧兵は山法師、興福寺の僧兵は奈良法師として権勢を振るった。
ふたまたこうやく【二股膏薬】
そのとき次第でどちらの側にも従うこと。また、その人。定見なく、あっちへついたり、こっちへついたりする節操のない人。▽「二股」は内股の意。「膏薬」は練り薬。内股に貼はった薬は、歩くうちに左右の足にあちこちつくことからいう。「膏」は「ごう」とも読む。
むりおうじょう【無理往生】
無理に自分の言動を押しつけ、承知させること。▽「無理」は強引に物事を行うこと。「往生」は、本来は「圧状」と書く。「圧状」は人を脅して、むりやり書かせた文書のこと。
むりさんだん【無理算段】
苦しいやりくりをして、物事や金銭の都合をつけること。▽「無理」は困難を承知で強引に物事を行うこと。「算段」は方法を工夫すること。特に金銭の場合に用いる。