いこくじょうちょ【異国情緒】
いかにも外国らしい風物がかもしだす、わが国のものとは異なる雰囲気や趣。エキゾチシズム。▽「情緒」は「じょうしょ」とも読み、その周囲をとりまく雰囲気や気分。また、ある場所や物に接したときに受ける、しみじみとした情趣や雰囲気。
いっこくせんきん【一刻千金】
わずかな時間が千金にも相当する意。時間の貴重なことのたとえ。貴重な時間、よい季節や楽しいひとときなどが過ぎ去りやすいのを惜しんでいう語。また、時間を無駄に過ごすのを戒める語。▽「一刻」はわずかな時間。もとは出典によって、春の夜のひとときが千金にも値するほどすばらしい意。「千金一刻せんきんいっこく」ともいう。
かりょうじょうたい【下陵上替】
世の中が大いに乱れた様子。下克上げこくじょうが行われている世をいう。下の者が上をしのいで、上の者が衰える意。▽「陵」はしのぐ意。「替」はすたれる、衰えること。「下しも陵しのぎ上かみ替すたる」と訓読する。
かんざんじっとく【寒山拾得】
中国唐代中期の寒山と拾得の二人の高僧。二人とも奇行が多く、詩人としても有名だが、その実在すら疑われることもある。拾得は天台山国清寺こくせいじの食事係をしていたが、近くの寒巌かんがんに隠れ住み乞食こじきのような格好をした寒山と仲がよく、寺の残飯をとっておいては寒山に持たせてやったという。また、この二人は文殊菩薩もんじゅぼさつ、普賢ふげん菩薩の生まれ変わりといわれる。画題としてもよく用いられる。
かんねいじゃち【奸佞邪智】
心がひねくれて、ずるがしこく立ち回ること。またその人。▽「奸佞」は心がねじけてへつらうこと。「奸」は心がねじけて正しくない意。「佞」はおもねる。また、口先や態度は巧みだが心はねじけている意。「邪智」は悪知恵。「奸」は「姦」、「智」は「知」とも書く。「邪智奸佞じゃちかんねい」ともいう。
きょうおんくうこく【跫音空谷】
⇒ くうこくのきょうおん(空谷跫音)
ぐもんじほう【求聞持法】
仏語。密教で、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を本尊として行う、記憶力増進のための修法。虚空蔵求聞法。
けんまこくげき【肩摩轂撃】
人や車馬の往来が激しく、混雑しているさま。都会の雑踏の形容。人の肩と肩が触れ合い、車のこしきとこしきがぶつかり合うほど混雑している意から。▽「肩摩」は肩と肩が触れ合うこと。「轂」は車のこしき。車輪の中央部で車軸を通して回転するところ。「轂撃」は轂と轂がぶつかり合うこと。「轂撃肩摩こくげきけんま」ともいう。
こくしょくてんこう【国色天香】
牡丹ぼたんのこと。また、非常に美しい人の形容。▽「国色」は国中で第一の美しい色。また、国一番の美人。「天香」は天のものかと思うばかりの妙たえなる香り。すばらしい香りの意。「天香国色てんこうこくしょく」ともいう。出典に引用された李正封りせいほうの詩句「国色朝あしたに酒を酣たのしみ、天香夜に衣を染む」による。
こくれいてい【孤苦零丁】
身寄りもなく落ちぶれて苦しむこと。▽「孤苦」は孤独で貧しく困窮すること。「零丁」は孤独で頼るところのないさま。また、「零丁孤苦れいていこく」ともいう。