あんたくせいろ【安宅正路】
慈しみの徳の「仁」と、信頼の徳の「義」のたとえ。▽「安宅」は住み心地のよい家。仁を安らかな身の置き所にたとえていう。「正路」は正しい道・人の踏み行うべき正しい道という意から、義のたとえ。仁は優しさ・慈しみの、義は人間関係を保つための信義の徳をいう。
いちだくせんきん【一諾千金】
信義が厚く、裏切ることのないたとえ。また、約束を重んじなければならないたとえ。いったん承諾したら、それは千金にも値するほどの重みがあるということ。▽「一諾」はひとたび承知して引き受けること。
いっきょいちどう【一挙一動】
ちょっとした動作・振る舞いのこと。ちょっとしたしぐさ。ちょっと手を挙げたり、ちょっとからだを動かしたりの意から。▽立ち居振る舞い・しぐさを表す「挙動」を分けて、「一」をそれぞれに添えたもの。「一挙手一投足」と類義。「一」はちょっとした、また一度の意。
きしせんめい【旗幟鮮明】
主義主張や態度などがはっきりしているたとえ。旗じるしがはっきりして鮮やかである意から。▽「旗幟」は旗・のぼり。外にあらわれた主義主張や態度などのたとえ。「鮮明」は鮮やかではっきりしているさま。
しそうけんご【志操堅固】
志や考え・主義などを堅く守り、何があっても変えないさま。▽「志操」は考えや主義などを守って変えない意志。
ちゅうこんぎたん【忠魂義胆】
忠義を重んじ守る心のこと。▽「忠魂」は忠義ひとすじの心。「義胆」は正義を重んじる精神の意。
ちゅうゆうぎれつ【忠勇義烈】
忠義の心に厚く、正義感も強いこと。▽「忠勇」は忠義と勇気、「義烈」は正義の心が強いこと。
はいしんきぎ【背信棄義】
信用と道義を守らないこと。信頼に背き、道義を捨て去ること。▽「背信」は信頼を裏切ること。「背」はそむく意。「棄義」は義を捨てる。人として行うべき道理を捨て去ること。「信しんに背そむき義ぎを棄すつ」と訓読する。
ほうがんびいき【判官贔屓】
弱者や薄幸の者に同情し、味方したり応援したりすること。また、その気持ち。▽「判官」は官職の名で、ここでは検非違使けびいしの尉じょう(判官)の職にあった源義経みなもとのよしつねのこと。「贔屓」は目をかけること。源義経が兄の頼朝よりともにねたまれて滅んだことに、人々が同情を寄せたことからいう。「判」は「はん」とも読む。
めんきょかいでん【免許皆伝】
武術や技術などの奥義を、師匠が弟子に残らず伝えること。▽「免」「許」はともに許すこと。「皆伝」は師から奥義をすべて伝えられること。