[動バ下一][文]た・ぶ[バ下二]《尊敬語「たぶ」(四段)に対応する謙譲語》
  1. 食物をかんで、のみこむ。「生 (なま) で—・べる」「ひと口—・べてみる」

  1. 暮らしを立てる。生活する。「なんとか—・べていくくらいの蓄えはある」

    1. ㋐「食う」「飲む」の謙譲語。いただく。食 (とう) ぶ。

      「御仏供 (ぶく) のおろし—・べむと申すを」〈・八七〉

    2. ㋑「食う」「飲む」を、へりくだる気持ちをこめて丁寧にいう語。

      「さかづきが—・べたいと申して参られてござる」〈虎明狂・老武者〉

    3. 「私は茶が嫌ひだから、これを—・べます」〈滑・浮世風呂・前下〉
[補説]本来は上位者からいただく意。ありがたくいただいて食す意から、自己の飲食する行為をへりくだって言うようになり、さらに、「食う」をやわらげていう丁寧な言い方に変わった。現代語では「食う」に比べれば丁寧な言い方であるが、敬意はほとんどない。また、現代では一般に飲む行為には用いられない。

出典:青空文庫

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