[動サ五(四)]《「離す」と同語源》
  1. 捕らえられたりつながれたりしている動物などを自由にしてやる。「魚を川に—・す」「猟犬を—・す」

  1. 握ったりつかんだりしていたのをやめる。「母の手を—・す」「ハンドルから手を—・す」

  1. 手元から遠くにやる。手放す。「刀を—・したことがない」

  1. 矢や弾丸発射する。はなつ。

    1. 「近くで—・しただけに狙いも狂わず」〈円朝真景累ヶ淵

  1. 料理で、水や汁などに入れて散らす。「ナスを水に—・してあくを抜く」

  1. (他の動詞の連用形に付いて)

    1. ㋐あることをしたままほうっておく。「見—・す」

    2. ㋑ある状態を続ける。前に促音挿入されて「ぱなす」の形をとることが多い。「勝ちっ—・す」

[可能]はなせる

[動サ五(四)]

  1. 言葉で相手に伝える。告げる。語る。「事件を人に—・す」「電話で—・す」

  1. 相談する。話し合う。「父に—・してから返事する」

  1. 外国語を使う。「ドイツ語を—・す」

  1. 交際する。つきあう。

    1. 「一條あたりに有徳なる人ありしが、年久しく—・したる人なりしが」〈仮・竹斎・下〉

  1. (遊里語で)遊女を買う。

    1. 「鹿恋 (かこひ) 女郎を—・すくらゐの男は」〈浮・禁短気・六〉

    2. 言う用法

[可能]はなせる

[動サ五(四)]

  1. くっついているものを解き分ける。「付箋 (ふせん) を—・す」「魚の身を骨から—・す」

  1. 他のものとの間を隔てる。その位置から遠ざける。「席を—・す」「少し—・して植える」「二人の仲を—・す」

  1. 二つのものの間に隔たりをつくる。間に距離を置く。「二位以下を大きく—・す」「業績で同期生に—・される」

  1. (「目をはなす」の形で)視線を別の所に移す。「いたずらっ子なので目が—・せない」

  1. 除く。はずす。

    1. 「コレヲ—・シテワホカニナイ」〈和英語林集成

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出典:青空文庫

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