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・・・なにも一目盛の晩酌を、うらやましがる人も無いのに、そこは精神、吝嗇卑小になっているものだから、それこそ風声鶴唳にも心を驚かし、外の足音にもいちいち肝を冷やして、何かしら自分がひどい大罪でも犯しているような気持になり、世間の誰もかれもみんな自・・・
太宰治
「禁酒の心」
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・・・他人の常言も我耳に新しく、恐るべきを恐れず、悦ぶべきを悦ばず、風声鶴唳を聞きて走るの笑をとることあり。かくの如きはすなわち耳なきに若かず。ゆえに万国の歴史を読まざるものは、聾者に劣る。第七、脩心学 人は万物の霊なり。性の善な・・・
福沢諭吉
「学校の説」