《「余波 (なごり) 」から》

  1. ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。また、その気配や影響余波 (よは) 。「台風の—の高波」「古都の—をとどめる」

  1. 人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。また、その気持ち。「尽きない—」

  1. 物事最後。終わり。「この世の—」

    1. 「一期 (いちご) の—ぢゃと思うて清水へ参って」〈狂言記・武悪

  1. 亡くなった人をしのぶよすがとなるもの。忘れ形見。子孫

    1. 「かの維時 (これとき) が—は、ひたすら民となりて」〈増鏡・新島守〉

  1. 病後のからだに残る影響

    1. 「いと重くわづらひ給へれど、ことなる—残らず」〈夕顔

  1. 残り。残余

    1. 「弥生中の六日なれば花はいまだ—あり」〈平家・三〉

  1. 名残の折」「名残の茶」などの略。

《「なみのこり」の音変化》

  1. 波が打ち寄せたあと、渚のあちこちに残っている海水海藻など。

    1. 「難波潟 (なにはがた) 潮干の—よく見てむ家なる妹が待ち問はむため」〈・九七六〉

  1. 強風の吹きやんだあとでもまだその影響が残っている波。なごろ。

    1. 「風しも吹けば、—しも立てれば」〈催馬楽・紀の国〉

出典:青空文庫

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