あくせん-くとう【悪戦苦闘】
非常な困難の中で、苦しみながら一心に努力をすること。強敵に死にものぐるいで苦しい戦いをすることからいう。▽「悪戦」は不利な状況の中で強敵に苦戦すること。
いちい-こうく【一意攻苦】
いちずに心身を苦しめて努力すること。▽「一意」はいちずに、一心にの意。「意」は心の意。「攻苦」は苦難と戦う、苦しい境遇と戦う意。
いちい-せんしん【一意専心】
他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中すること。▽「一意」はいちずに、一つのことに心を注ぐこと。「専心」は心を一つのことに集中すること。「専」は「摶」とも書く。「意いを一いつにし心こころを専もっぱらにす」と訓読する。また、「専心一意せんしんいちい」ともいう。
いちじつの-ちょう【一日之長】
一日早く生まれた意。少し年長であること。転じて、ほんの少し経験があり、技能などが他よりわずかにすぐれていること。自分の経験・能力・技能などを謙遜けんそんしていう語。▽「日」は「にち」とも読む。
いちもく-じゅうぎょう【一目十行】
書物などを速く読む力がすぐれていることのたとえ。一目見ただけで、すぐに十行分を読むことができる意から。▽「一目」は「ひとめ」とも読む。
いっき-とうせん【一騎当千】
群を抜いた勇者のたとえ。また、人並みはずれた能力や経験などのたとえ。一人の騎兵で千人もの敵を相手にできる意から。▽「当千」は「千に当たる」で、千人を敵にできる、千人に匹敵する意。「千」は「ぜん」とも読む。
いっきゅう-にゅうこん【一球入魂】
一球一球の球たまに全力を傾けること。精神を集中して、一球を投ずること。野球が生んだ造語で、多く野球にいう。▽「入魂」は物事に魂を込めること。全神経を傾けること。
いっしょう-けんめい【一生懸命】
命をかけて物事に当たるさま。本気で物事に打ち込むさま。▽「懸命」は命がけでの意。転じて、真剣に物事に当たるさま。「一所懸命いっしょけんめい」から出た語。一所懸命いっしょけんめい
いっしょう-さんたん【一唱三歎】
すばらしい詩文を賞賛する語。詩歌を一度詠み上げる間に、何度も感嘆する意から。▽「三」は何度もの意。「歎」は感じ入ってため息をつく、感心して褒めあげること。もとは先祖のみたまやである宗廟そうびょうの祭祀さいしで音楽を奏するとき、一人が唱うたえば、三人がこれに和して唱ったことをいった。「唱」は「倡」、「歎」は「嘆」とも書く。
いっしん-ふらん【一心不乱】
何か一つのことに心を集中して、他のことに心を奪われないさま。一つのことに熱中して、他のものに注意をそらさないさま。
いへん-さんぜつ【韋編三絶】
何度も繰り返し、熱心に本を読むことのたとえ。また、学問に熱心なことのたとえ。▽「韋編」は文字を書いた木札(木簡という)や竹の札(竹簡という)を皮のひもで綴つづった古代中国の書物。「三絶」は三度断ち切れる意。また、何度も断ち切れる意。「三」は三度の意と数の多いことを表す場合とがある。「韋編いへん三みたび絶たつ」と訓読する。
うか-てんせい【雨過天晴】
悪かった状況や状態がよいほうに向かうたとえ。雨がやみ、空が晴れ渡り明るくなる意から。▽「晴」は「青」とも書く。「雨あめ過すぎて天てん晴はる」と訓読する。
うんきん-せいふう【運斤成風】
非常に巧みですばらしい技術のこと。また、それをもつ職人。手斧ておのを振るって風を巻き起こす意。▽「運斤」は斧を振るうこと。「斤」は手斧の意。「成風」は風を起こすこと。風を起こすほど勢いよく振りまわす意。「斤きんを運めぐらし風かぜを成なす」と訓読する。
えいか-はつがい【英華発外】
内面のすぐれた精神や美しさなどが表面に表れること。もとは、人を感動させるすぐれた音楽についていった語で、内面に蓄えられたすぐれた精神が力強く外に表れ出て、美しい曲調をなすことをいう。▽「英華」は美しい花の意。ここでは内面のすぐれたもののたとえ。「発外」は外に出ること。一般に「英華えいか、外そとに発はっす(発あらわる)」と訓読を用いる。
えんぼく(の)-けいちん【円木警枕】
苦労して懸命に勉学に励むたとえ。また、物事に精励して寝る間も惜しむこと。眠り込んでしまわないように、すぐ転んで目が覚めるようにした丸木の枕まくらの意から。▽「警枕」は眠り込まないようにした枕。軍中などで使われた。