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うつり【移り/遷り】 の意味

  1. 人の住所などが変わること。移転。転居。「郊外にお―の由」「都―」
  1. 火事などが他に伝わること。「火の―が早い」
  1. (多く「おうつり」の形で)贈り物の入っていた先方の器や風呂敷にお礼のしるしとして別の品を入れて返すこと。また、その品。
  1. 移り変わること。変遷。
    • 「人も世も思へばあはれいく昔いく―して今になりけん」〈玉葉集五〉
  1. 続き合い。ゆかり。関係。
    • 「虎様や少将様の―といひ」〈浄・百日曽我
  1. 代わりの人。身代わり。
    • 「せめて御兄弟の―にもなれかし」〈浄・百日曽我
  1. 事情。わけ。ようす。
    • 「銀 (かね) 持ち合はさぬ―を知らせ」〈浮・禁短気・六〉
  1. 蕉風俳諧の付け方の一。前句の余韻が後句に及んで互いに調和する付け方。
    • 「―、響き、匂ひは付けやうのあんばいなり」〈去来抄・修行〉

うつり【移り/遷り】の慣用句

  1. うつりが【移り香】
    • ある物に伝わって残っている、他のものの香り。残り香。
  1. うつりがえ【移り替え】
    • 《「うつりかえ」とも》季節の変わり目に衣類を替えること。衣替え。
      「初霜月(はつしもつき)の―も何の苦慮(くるしみ)なく」〈露伴五重塔
  1. うつりがみ【移り紙】
    • 贈り物を入れてきた器などに返礼の意味で形式的に入れて返す紙。懐紙・半紙などを用いる。
  1. うつりかわり【移り変(わ)り】
    • 事態や状況が時のたつにつれて変わってゆくこと。「季節の―」
  1. うつりぎ【移り気】
    • [名・形動]《古くは「うつりき」とも》
    • 興味の対象をたやすく別のものに向けること。また、そういう性質。浮気。「―な薄情者」
    • ふとしたはずみで起こる感情。特に異性にひかれる思い。出来心。
      「みなこれ男を思ふより、その時々の―にて」〈人・梅児誉美・三〉
  1. うつりごし【移り腰】
    • 柔道の投げ技の一。体側を見せて技をかけてきた相手の腰を抱き上げ、腰をひねって相手の体を自分の腰にのせて投げる腰技。
  1. うつりばし【移り箸】
    • 嫌い箸の一。食事の際、一度取ろうとしたおかずから別のおかずへと箸を動かして食べること。おかずと御飯を交互に食べるか、一度箸を置くかするのが作法。渡り箸。
  1. うつりまい【移り舞】
    • 能楽などで、人の舞姿をまねてまう舞。また、舞手のあとをうけてまう舞や、連れ舞をもいう。
  1. うつりみ【移り身】
    • ある立場から他の立場へとすばやく変わること。変わり身。「―の早い人」
  • うつり【移り/遷り】の例文

    出典:青空文庫

    • ・・・めませんでしたが、その内にまた誰かに見つめられているような、気味の悪い心もちが自然に強くなり出したので、こんな吊皮の下に坐っているのが、いけないのだろうと思いましたから、向う側の隅にある空席へわざわざ移りました。

      芥川竜之介「妖婆」

    • ・・・その友は二人分の手荷物を抱えて、学生は例の厄介者を世話して、艀に移りぬ。

      泉鏡花「取舵」

    • ・・・ 霊廟の土の瘧を落し、秘符の威徳の鬼を追うよう、たちどころに坊主の虫歯を癒したはさることながら、路々も悪臭さの消えないばかりか、口中の臭気は、次第に持つ手を伝って、袖にも移りそうに思われる。

      泉鏡花「伯爵の釵」