まんしんそうい【満身創痍】
からだじゅうが傷だらけの様子。また、ひどく非難されて痛めつけられること。▽「満身」はからだじゅうの意。「創」「痍」はともに傷のこと。
まんりょうぶげん【万両分限】
何万両もの財産を持っている富豪。大金持ち。「—でも、町人風情かあるいは功のない者は」〈滑・浮世床・二〉
みつうんふう【密雲不雨】
兆候はあるのに、依然として事が起こらないことのたとえ。雨雲で覆われているにもかかわらず、まだ雨が降らない意から。▽「密雲」は空いっぱいに厚い雲が重なっている様子。「不雨」は雨がまだ降ってきていない意。「密雲みつうん雨あめふらず」と訓読する。
みょうせんじしょう【名詮自性】
物の名は、その物自体の本性を表すということ。名が自らの性質を備えているということ。▽仏教語。略して「名詮」ということもある。「詮」はときあかす意。「自性」はその物の性質、本性。「性」は「称」とも書く。
むいしぜん【無為自然】
人の手を加えないで、何もせずあるがままにまかせること。▽老子や荘子そうしの思想を指す言葉。「無為」は何もせず、人の手を加えないこと。「自然」は人間の手が加わっていないもともとの姿の意。あるがまま。
むいむのう【無為無能】
意義のあることをやりもしないし、できもしないこと。何もできないこと。行うこともやり遂げる力もないということ。へりくだるときにも用いられる。▽「為」は行うこと、行為。「能」は物事をやり遂げる力。
むがむちゅう【無我夢中】
ある事にすっかり心を奪われて、我を忘れてしまうさま。▽「無我」はもと仏教語。自分に捕らわれる心を超越した心。そこから自分を忘れる意。「夢中」は物事にすっかり熱中して、他のことを考えられない状態。
むげいたいしょく【無芸大食】
特技や取り柄がないにもかかわらず、食べることだけは人並みであること。また、そのような人をさげすんでいう語。自分のことを謙遜けんそんしていう場合にも用いられる。▽「無芸」は芸や特技を何も身につけていないこと。「大食」はたくさん食べる人。大食い。
むしむじゅう【無始無終】
始めも終わりもなく、限りなく続いていること。生ある者があの世からこの世へと生まれ、苦しみを味わい、再び死んであの世へ戻っていくという輪廻りんねが無限であること。▽仏教語。「始終」を分けて、それぞれに「無ない」をつけた語。「始はじめ無なく終おわり無なし」と訓読する。「終」は「しゅう」とも読む。
むしむへん【無私無偏】
個人的な利益や名誉を優先せず、公平に判断・行動するさま。▽「私」は自分勝手に物事を行うこと。「偏」は判断が偏っている意。