あいえんきえん【合縁奇縁】
不思議なめぐり合わせの縁。人と人とが互いに気心が合うかどうかは、みな因縁いんねんという不思議な力によるものであるということ。人と人の結びつきについていうが、特に男女の間柄についていう。▽「合縁」はもと仏教語で、恩愛から起こる人と人の結びつきの意。「奇縁」は不思議なめぐり合わせの意。また、思いがけない不思議な縁の意。「愛縁機縁」「相縁機縁」とも書く。
あいきこつりつ【哀毀骨立】
悲しみのあまりやせ細り、骨ばかりになること。父母の死などで非常に悲しむことの形容。▽「哀毀」は悲しみのあまりからだをこわす、また、やせ細る意。「骨立」はやせて骨ばかりになる意。骨だけでからだを支えるほど肉が落ちて、骨と皮ばかりになる意。
あいたぞうせい【愛多憎生】
人から受ける愛や恩も度を越すと、そのためにかえって人の憎しみやねたみを買うことになるということ。
あおいきといき【青息吐息】
非常に困ったときや、きわめて苦しいときに発する元気のないため息。また、そのようなときの状態をいう。大きな心労・苦労があるとき、心身ともに疲れ果て、苦しそうな息づかいをすることから。▽「青息」は苦しいときの息。青ざめて息を吐くからとも、大息おおいきの転からともいう。「吐息」はため息。「―息」の熟語を重ねることで語調を整え、意味を強めたもの。
あくぎゃくむどう【悪逆無道】
人の道にはずれた、はなはだしい悪事。▽「悪逆」を強めるために「無道」を添えた語。「悪逆」は道理にそむいた著しく悪い行い。「無道」は道理にはずれているさま。「無道」は「ぶとう」「ぶどう」とも読む。
あくすいきょうしゅ【悪酔強酒】
望んでいることと、実行することが相反すること。酒に酔うことはよくないと思いながらも、無理に酒を飲むことから。▽「悪酔」は酔うことをよくないと思うこと。「強酒」は無理に酒を飲むこと。「酔よいを悪にくみて酒さけを強しう」と訓読する。
あくせんくとう【悪戦苦闘】
非常な困難の中で、苦しみながら一心に努力をすること。強敵に死にものぐるいで苦しい戦いをすることからいう。▽「悪戦」は不利な状況の中で強敵に苦戦すること。
あくはつとほ【握髪吐哺】
立派な人材を求めるのに熱心なこと。▽「握髪」は髪を洗っている途中で、髪を握って洗うのをやめること。「吐哺」は口中の食べ物を吐き出すこと。「髪かみを握にぎり哺ほを吐はく」と訓読する。「吐哺握髪とほあくはつ」ともいい、略して「吐握」ともいう。
あじゃくむせい【鴉雀無声】
ひっそりとして声ひとつないこと。静まりかえっている形容。からすやすずめなど鳥の鳴き声のない意から。▽「鴉」はからす。「鴉雀あじゃく声こえ無なし」と訓読する。
あそうせいほう【鴉巣生鳳】
からすの巣におおとりが生まれること。愚かな親にすぐれた子が生まれるたとえ。また、貧しい家にすぐれた人物が生まれるたとえ。「とびが鷹たかを生む」の意。▽「鴉」はからす。「鳳」はおおとり。想像上の瑞鳥ずいちょうで、聖天子が出ると現れるとされる。「鴉巣あそうに鳳ほうを生しょうず」と訓読する。