ふしょうふずい【夫唱婦随】
夫婦の仲が非常によいこと。夫が言い出し妻がそれに従う意から。▽「唱」は言い出すこと。提唱。「唱」は「倡」とも書く。
ふわらいどう【付和雷同】
自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること。▽「付和」は定見をもたず、すぐ他人の意見に賛成すること。「雷同」は雷が鳴ると万物がそれに応じて響くように、むやみに他人の言動に同調すること。「雷同付和らいどうふわ」ともいう。「付」は「附」とも書く。
へいへいたんたん【平平坦坦】
[ト・タル][文][形動タリ]《「平坦」のそれぞれの字を重ねて意味を強めた語》きわめて平らなさま。また、何の変化もないさま。「日常の生活に見るままの有様にて、而もその—たるが中に」〈荷風・ふらん...
へいへいぼんぼん【平平凡凡】
特にすぐれたところや変わったところがなく、ごくありふれているさま。「平凡」を繰り返して意味を強調した語。
ほかくはくちゅう【保革伯仲】
政党などで、保守と革新のそれぞれの議員の数がほぼ同じであること。また、与党と野党の勢力がほぼ同じ場合にも用いられることがある。▽「保」は保守。「革」は革新。「伯」は長兄、「仲」は次兄の意で、「伯仲」は優劣のつけにくいこと、力が近接していること。
ぼくめいじゅこう【墨名儒行】
表面は墨家ぼっかといいながら、実際には儒家の行いをしている意で、表向き吹聴ふいちょうしている主義・主張と実際の行動が違うたとえ。名目は墨家で行動は儒家という意。墨家・儒家はそれぞれ中国春秋戦国時代の思想集団をいう。
むざんむき【無慙無愧】
悪事を働いても、それを恥じることなく平気でいること。▽仏教語。「無慙」は自分の犯した罪を、仏の教えを破りながらもそれを恥じない心。「無愧」は自分の罪を他人に対して恥じない心のこと。「慙はじること無なく愧はじること無なし」と訓読する。「慙」は「残」とも書く。
むしむじゅう【無始無終】
始めも終わりもなく、限りなく続いていること。生ある者があの世からこの世へと生まれ、苦しみを味わい、再び死んであの世へ戻っていくという輪廻りんねが無限であること。▽仏教語。「始終」を分けて、それぞれに「無ない」をつけた語。「始はじめ無なく終おわり無なし」と訓読する。「終」は「しゅう」とも読む。
むじゅんどうちゃく【矛盾撞着】
二つの事柄が論理的に食い違って、つじつまが合わないこと。▽「矛盾」は同一人物の言動が一貫していないこと。食い違っていること。「撞着」も「矛盾」と同義。「盾」は「楯」、「着」は「著」とも書く。「矛盾」については「中国戦国時代、楚そ国で矛ほこと盾たてを売っていた商人が、矛を売るときには、この矛はどんな堅固な盾も突き破るほど鋭いと言い、盾を売るときにはこの盾はどんな鋭利な矛でも破れないと言ったところ、聞いていた人に、それではその矛でその盾を突いたらいったいどうなるのかと聞かれ、商人は返答に困った」という故事(『韓非子かんぴし』難なん一)がある。
むにむさん【無二無三】
ただ一つしかなく、それに代わるものがないこと。転じて、一つの物事に心を傾けてそれに打ち込むさま。▽もと仏教語。仏になる道は一乗だけで、ほかに道はないという意から。「三」は「ざん」とも読む。