けいえいいちにょ【形影一如】
仲むつまじい夫婦のたとえ。また、心の善し悪しがその行動に表れるたとえ。からだとその影は常に離れず寄り添い、同じ動きをすることからいう。▽「形影」はからだとその影。互いに離れることがないことから、密接な関係のたとえ。「一如」は一体である、不可分である意。
けいりんのいっし【桂林一枝】
①人柄が立派ですぐれていることのたとえ。自分の出世を謙遜していうことば。②科挙(官吏登用試験)に及第することを謙遜していうことば。③自分の出世にまだ満足していないことのたとえ。④容易に得がたい人物や出来事のたとえ。⑤高潔で世俗から離れた人物のたとえ。
けんけんしせい【見賢思斉】
賢人を見ては自分もそのような人になりたいと思うこと。▽「斉」は等しいこと。一般に「賢けんを見みては斉ひとしからんことを思おもう」と訓読を用いる。
こうとくけんりゅう【功徳兼隆】
成し遂げた功績と身に備わっている人徳とがともに盛大なこと。
こうどうきちにち【黄道吉日】
すべてのことをするのによい日。日柄のよい日。星占いの説で、青竜・明堂など六辰りくしん(六つの星で吉の神)が当たる日をいい、何をするにも吉であるとされる。わが国の陰陽道おんようどうでもいう。▽「黄道」は地球から見て、太陽が運行するように見える軌道。「吉日」は「きちじつ」「きつじつ」「きつにち」とも読む。略して「黄道日こうどうじつ」ともいう。
こうぼくしかい【槁木死灰】
身も心も生気がまったくなく、何の働きもしないたとえ。無欲で無心なさま。▽「槁木」は枯れ木。からだが枯れ木のように静止して不動なことの形容。「死灰」は燃え尽きて、火の気のない灰。心が火の気のない灰のように無心なことの形容。いずれも生気や活気のないさま。
こじらいれき【故事来歴】
古くから伝わっている事柄について、由来・歴史や伝来の事情など。▽「故事」は昔から伝わっているいわれや話。「来歴」は由来やいきさつ。「故」は「古」とも書く。
こふくげきじょう【鼓腹撃壌】
太平の世の形容。太平で安楽な生活を喜び楽しむさま。善政が行われ、人々が平和な生活を送るさま。満腹で腹つづみをうち、足で地面をたたいて拍子をとる意から。▽「鼓腹」は腹つづみをうつこと。「壌」は土・地面。「撃壌」は地面をたたいて拍子をとること。一説に木製の履物を遠くから投げて当てる遊びの名ともいう。「腹はらを鼓こし壌つちを撃うつ」と訓読する。「撃壌鼓腹げきじょうこふく」ともいう。
こぼくかんがん【枯木寒巌】
世俗に超然とした悟りの境地のたとえ。枯れた木と冷たい岩の意から。仏教、特に禅宗で「枯木」「寒巌」を、情念を滅却した悟りの境域にたとえる。また、情味がなく冷淡で取っつきにくい態度・性質などのたとえに用いられることもある。▽「巌」はいわお。高く大きな石。「寒巌枯木かんがんこぼく」ともいう。
ごんごどうだん【言語道断】
言葉に表せないほどあまりにひどいこと。とんでもないこと。もってのほか。もと仏教の語で、奥深い仏教の真理や究極の境地は言葉では言い表せない意から。▽「言語」は言葉に出して表すこと。「道断」は言うことが断たれること。「道」は口で言うこと。また、「言語の道が断たれる」意ともいう。