きよほうへん【毀誉褒貶】
ほめたりけなしたりすること。そしりとほまれ。また、ほめたりけなしたりする世評。世間の評判。▽「毀」「貶」はともに、そしること、けなすこと。「誉」「褒」はともに、ほめること。
きんげんじっちょく【謹厳実直】
きわめて慎み深く、まじめで正直なさま。▽「謹厳」は慎み深く厳格なこと。「実直」はまじめで正直なさま。
ぎじむこう【疑事無功】
疑いながら、またためらいながら事を行うようでは、成果は期待できないということ。一度決めたことは決然として断行すべきであるという戒めの語。▽「疑事ぎじ功こう無なし」と訓読する。
ぎゅうしゅうばぼつ【牛溲馬勃】
つまらないものや、役に立たない無用なもののたとえ。「牛溲」は牛の小便。「馬勃」は馬のくそ。一説に「牛溲」は下等な薬草のおおばこ。利尿作用があるという。「馬勃」は腐った木などに生えるきのこの類のほこりだけ。できものに効くといわれる。いずれも些細ささいなものであるからいう。「溲」は「そう」とも読む。また、「勃」は「渤」とも書く。
ぎょうじゅうざが【行住坐臥】
日常の立ち居振る舞いのこと。転じて、ふだん・常々の意。▽「行」は歩くこと。「住」はとどまること。「坐」は座ること。「臥」は寝ること。仏教ではこれを四威儀しいぎという。
ぎょうねんしゅんじつ【尭年舜日】
天下泰平の世の中であることのたとえ。
ぎょもくえんせき【魚目燕石】
外観は似ているが、内実は似ても似つかない価値のないもののたとえ。本物と紛らわしい偽物のたとえ。また、本物と偽物が紛らわしいたとえ。▽「魚目」は魚の目玉。「燕石」は燕山(河北省)の石。ともに珠玉に似てはいるが、偽物であり無価値であることからいう。
くうくうじゃくじゃく【空空寂寂】
空虚で静寂なさま。執着や煩悩ぼんのうを除いた静かな心の境地。無心。転じて、何もなく静かなさま。また、思慮や分別のないさま。▽仏教語。「空」はこの世の有形・無形の一切のものは、固定した実体がないこと。「寂」はひっそりと静かな意。煩悩や執着のない静寂なあり方が本性であること。
くうそくぜしき【空即是色】
固定的な実体がなく空くうであることで、はじめて現象界の万物が成立するということ。万物の真の姿は実体がなく空だが、その空は一方的にすべてを否定する虚無ではなく、それがそのままこの世に存在する物の姿でもある意。▽仏教語。「空」は固定的な実体のないこと。「色」はいろ、かたちあるもの。この世のすべての物質的存在のこと。
くぶくりん【九分九厘】
ほとんど完全に近いこと。ほとんど間違いなく確実なこと。推測・予想などがほぼ確実であること。十分のうち一厘を残すだけの意から。