くう-そくぜ-しき【空即是色】
固定的な実体がなく空くうであることで、はじめて現象界の万物が成立するということ。万物の真の姿は実体がなく空だが、その空は一方的にすべてを否定する虚無ではなく、それがそのままこの世に存在する物の姿でもある意。▽仏教語。「空」は固定的な実体のないこと。「色」はいろ、かたちあるもの。この世のすべての物質的存在のこと。
- 出典
- 『般若心経はんにゃしんぎょう』
- 用例
- 色即是空、空即是色は、おれには、縁遠いと知った。この三カ月の服喪は、五体に猛気を満たすに役立っただけだ。<柴田錬三郎・曲者時代>