なんとほくれい【南都北嶺】
奈良と比叡山ひえいざんのこと。また、奈良の興福寺こうふくじと比叡山の延暦寺えんりゃくじのこと。▽「南都」は奈良のこと。奈良には仏教の大きな派閥が六つあったが、法相宗ほっそうしゅう興福寺はその代表。「北嶺」は比叡山のこと。延暦寺の僧兵は山法師、興福寺の僧兵は奈良法師として権勢を振るった。
にくたんけんよう【肉袒牽羊】
降伏して相手に服従し、臣僕となることを請願すること。肌を脱ぎ、上半身裸になって羊をひく意から。▽「肉袒」は肌を脱ぎ、上半身をあらわにすること。降伏・謝罪の意。「牽羊」は羊をひいていくこと。料理人として相手に仕え、しもべとなることを請う意。「肉袒にくたんして羊ひつじを牽ひく」と訓読する。
にょにんきんせい【女人禁制】
特定の場所や行事に、女性の立ち入りや参加を禁止すること。▽かつては女性は汚れが多く、修行の妨げになると考えられていた。昔の高野山などが有名。これに対し、女性の参詣を許した場所に「女人~」の俗称がつくこともある(例―女人高野にょにんこうや、奈良県室生むろう寺)。「制」は「ぜい」とも読む。
はいしんきぎ【背信棄義】
信用と道義を守らないこと。信頼に背き、道義を捨て去ること。▽「背信」は信頼を裏切ること。「背」はそむく意。「棄義」は義を捨てる。人として行うべき道理を捨て去ること。「信しんに背そむき義ぎを棄すつ」と訓読する。
はくりたばい【薄利多売】
一つの商品の利益を少なくして大量に売り、全体として利益が上がるようにすること。また、その商法。▽「薄利」は利益が少ないこと。
はっこういちう【八紘一宇】
全世界を一つにまとめて、一家のように和合させること。第二次大戦のとき日本が国家の理念として打ち出し、海外進出を正当化するスローガンとして用いた。▽「八紘」は天地の八方の隅、地の果てまでの意。転じて、全世界の意。「宇」は家の意。
はんせいはんすい【半醒半睡】
半ば目覚め、半ば眠った状態。意識が朦朧もうろうとしてはっきりしないさま。▽「醒」は目が覚める意。「睡」は眠る意。「半睡半醒はんすいはんせい」ともいう。
はんぶんじょくれい【繁文縟礼】
礼儀や規則・形式などがこまごまして煩わしいこと。▽「文」はあや・飾り、また礼儀・規則の条文などの意。「繁文」はこまごました飾り。規則などがこまごまと煩わしいこと。「縟」は煩わしい、込み入っている意。「縟礼」は込み入った礼儀作法のこと。略して「繁縟」ともいう。
はんめんきょうし【反面教師】
悪い面の見本で、それを見るとそうなってはいけないと教えられる人や事例のこと。それを見ることで、反省の材料となるような人や事例。その言行が、そうしてはいけないという反対の面から、人を教育するのに役立つのでいう。
ばくてんせきち【幕天席地】
志気が非常に盛んなこと。また、気持ちの大きいたとえ。天を屋根の代わりの幕とし、大地を座席のむしろにする意から。▽「席」はむしろ。「天てんを幕まくとし地ちを席せきとす」と訓読する。