かいぜんばんり【階前万里】
天子が地方政治の実情をよく知っていて、臣下は天子を欺くことができないたとえ。万里の遠方の出来事も、手近な階段の前のことのように分かる意から。▽「階前」は階段の前。宮殿の階段の前の意。
せんさばんべつ【千差万別】
さまざまに異なって同じでないこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「差別」は区別・違いの意味。「差」は「しゃ」、「万」は「まん」とも読む。
まんしんそうい【満身創痍】
からだじゅうが傷だらけの様子。また、ひどく非難されて痛めつけられること。▽「満身」はからだじゅうの意。「創」「痍」はともに傷のこと。
もじきなか【文字寸半】
《「文字」は一文銭の表に書かれた字。「きなか」は一文銭の直径1寸の半分の意》少しばかりの金。また、わずかなもの。一文半銭。「人様の物—、盗もと思ふ気は出さぬわい」〈浄・伊賀越〉
よいんじょうじょう【余韻嫋嫋】
音が鳴りやんでも、なお、かすかに残る響き。また、その音が細く長く続く様子。詩や文章の言外の趣や、事が終わったあとの情緒あふれる風情にもたとえる。▽「嫋嫋」は音声の細く長く続くさま。「韻」は「音」とも書く。
らっかろうぜき【落花狼藉】
物が散乱すること。また、女性に乱暴な行為に及ぶこと。▽「落花」は花が散って地面に落ちたもの。「狼藉」は無秩序に散らかったさま。おおかみが寝た跡は草が乱れていることから生まれた語。花びらが乱れ散った様子をいう。また、花を女性に見立てて、女性に乱暴をはたらく意をも表す。
らりこっぱい【乱離骨灰】
ばらばらに離れ散ること。めちゃめちゃになった様子。さんざん。▽「らりこはい」とも読む。「乱離」は「羅利」とも書き、「骨灰」は「粉灰」「骨敗」「忽敗」とも書く。
りゅうあんかめい【柳暗花明】
春の野が花や緑に満ちて、美しい景色にあふれること。また、花柳界・遊郭のことを指すこともある。▽「柳暗」は柳が茂って、その陰がほの暗くなること、薄暗い様子。「花明」は花が咲いて明るい色があふれること。春の山水の美しい景色を表現したもの。南宋陸游りくゆうの「山西さんせいの村むらに遊あそぶ」(詩)の「柳暗花明又一村りゅうあんかめいまたいっそん」の句は有名。
りゅうしょうほうし【竜章鳳姿】
伝説上の霊獣・霊鳥である竜や鳳凰ほうおうのように、威厳に満ちた立派な容姿。本来の意味は、竜のように勇壮で、おおとりのように気高い姿をしていること。内面の充実が外面に現れたすぐれた風采ふうさいをいう。▽「章」は模様。「竜」「鳳」は、ともに想像上のめでたい動物。「竜」は「りょう」とも読む。
わきあいあい【和気藹藹】
心と心が通じ合い、和やかな気分が周囲に満ちあふれている様子。▽「和気」は穏やかな気分。「藹藹」は和やかなさま。「藹藹」は「靄靄」とも書く。