ふげんふご【不言不語】
口に出して何も言わないこと。▽言う、語る意の言語の「言」「語」のそれぞれに打消しの意の「不」を添えた語。一般に「言わず語らず」の形で用いられることが多い。
ほうがんびいき【判官贔屓】
弱者や薄幸の者に同情し、味方したり応援したりすること。また、その気持ち。▽「判官」は官職の名で、ここでは検非違使けびいしの尉じょう(判官)の職にあった源義経みなもとのよしつねのこと。「贔屓」は目をかけること。源義経が兄の頼朝よりともにねたまれて滅んだことに、人々が同情を寄せたことからいう。「判」は「はん」とも読む。
ほつぼだいしん【発菩提心】
仏教のことばで、悟りを開こうとする気持ちをもって、仏門に入ろうと決意すること。また、俗世間を離れ、出家や隠遁生活に入ること。
めんりほうしん【綿裏包針】
表面は柔和で穏やかに見えるが、内心はひそかに悪意をもっていることのたとえ。綿の中に針を包み隠している意から。▽「裏」は内側・中の意。「包針」は針を包み隠す意。「針」は言動の中にある、人の心を傷つける気持ち。害意。「綿裏めんりに針はりを包つつむ」と訓読する。
らっかりゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。
りょうぎんこしょう【竜吟虎嘯】
同じ考えや心をもった者は、相手の言動に気持ちが通じ合い、互いに相応じ合うということ。また、人の歌声や笛・琴の音などが、あたかも竜やとらのさけび声が天空にとどろき渡るように響くことをいう。▽「吟」は鳴き声をあげる、「嘯」はほえること。竜が声をあげれば雲がわき起こり、とらがうなれば風が生ずるといわれる。「竜りょう吟ぎんじ虎とら嘯うそぶく」と訓読する。「竜」は「りゅう」とも読む。
わがんあいご【和顔愛語】
和やかで温和な顔つきや言葉つき。穏やかで、親しみやすい振る舞いのこと。▽「和顔」はやさしげな顔つきのこと。「愛語」は親愛の気持ちがこもった言葉の意。