おうほうじゅんし【枉法徇私】
法を悪用して、私利私欲にはしること。また、正しいきまりを曲げて、わがまま勝手に振る舞うこと。▽「枉」は曲げる、ゆがめる意。「徇」はしたがう意。「法ほうを枉まげて私しに徇したがう」と訓読する。
けんあいむし【兼愛無私】
自他の区別なく、広く人を愛して区別がないこと。中国戦国時代の墨子の思想。▽「兼愛けんあい私わたくし無なし」と訓読する。
こうへいむし【公平無私】
一方に偏ることなく平等で、私心をもたないさま。▽「無私」は私心がないこと。
そくてんきょし【則天去私】
小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。▽「則天」は天地自然の法則や普遍的な妥当性に従うこと。「去私」は私心を捨て去ること。夏目漱石そうせきが晩年に理想とした境地を表した言葉で、宗教的な悟りを意味するとも、漱石の文学観とも解されている。「天てんに則のっとり私わたくしを去さる」と訓読する。