にょぜがもん【如是我聞】
仏典の冒頭に置かれる語。「このように私は聞きました」という意味。仏の説であることを示すために、釈迦しゃかが弟子の阿難に経典きょうてんの冒頭に冠させたといわれる。▽仏教語。「如是」はこのようにの意。「我聞」はそれを聞いたこと。「是かくの如ごとくを我われは聞きけり」と訓読する。「我聞如是がもんにょぜ」ともいう。
はいしんきぎ【背信棄義】
信用と道義を守らないこと。信頼に背き、道義を捨て去ること。▽「背信」は信頼を裏切ること。「背」はそむく意。「棄義」は義を捨てる。人として行うべき道理を捨て去ること。「信しんに背そむき義ぎを棄すつ」と訓読する。
はいしんぼうしょく【廃寝忘食】
他のことを考えず、ひとつのことに一心に取り組むこと。▽「廃」はやめる。「廃寝」で寝ることをやめる。「忘食」は食事をとることを忘れる。寝食を忘れて熱中する意。「寝しんを廃はいし食しょくを忘わする」と訓読する。
はいぶつきしゃく【廃仏毀釈】
仏教排斥のための運動のこと。仏法を廃し、釈迦しゃかの教えを放棄する意。▽「釈」は釈迦のこと。「毀」は壊す、悪口をいう意。中国では南北朝時代から宋そう代の直前までに起こった四回の廃仏令「三武一宗の法難」、日本では明治政府の神仏分離令に基づく寺社排斥運動が有名。「仏ほとけを廃はいして釈しゃくを毀そしる」と訓読する。「排仏棄釈」とも書く。
はくがくとくし【博学篤志】
広く学んで、熱心に志すこと。学問する者の心構えについて述べた言葉。▽「博ひろく学まなび篤あつく志こころざす」と訓読する。
はくしさいしゅう【博施済衆】
広く人民に恩恵を与え、民衆を苦しみから救済すること。為政者の心得。▽「博施」は広く人民に恩恵を施すこと。「済」は救う、助ける意。「衆」は人々。多くの人。「博ひろく施ほどこして衆しゅうを済すくう」と訓読する。
ばいけんばいぎゅう【売剣買牛】
戦争をやめ、農業に力を尽くして盛んにすること。また、武器を捨てて、農業に従事すること。剣を売って牛を買う意から。▽「剣けんを売うり牛うしを買かう」と訓読する。「買牛売剣ばいぎゅうばいけん」ともいう。
ばくてんせきち【幕天席地】
志気が非常に盛んなこと。また、気持ちの大きいたとえ。天を屋根の代わりの幕とし、大地を座席のむしろにする意から。▽「席」はむしろ。「天てんを幕まくとし地ちを席せきとす」と訓読する。
ばしとぞう【馬歯徒増】
なすこともなく、いたずらに年を取ること。自分が年取ったことの謙称。▽「馬歯」は「馬齢」に同じ。自分の年齢の謙称。「徒」はただいたずらにの意。一般に「馬歯ばし、徒いたずらに増ます」と訓読を用いる。
ほうしんきゅうか【抱薪救火】
害を除こうとして、かえってその害を大きくすることのたとえ。火を消すのに薪を抱えて行く意から。▽「薪たきぎを抱いだきて火ひを救すくう」と訓読する。