こっきふくれい【克己復礼】
私情や私欲に打ち勝って、社会の規範や礼儀にかなった行いをすること。▽「克」は勝つ意。また、抑える、約す意。「克己」は自分の欲望や私情に勝つこと。また、わが身を慎むこと。「復」は返る意。「復礼」は礼の道に立ち返る、従うこと。「己おのれに克かちて礼れいに復ふくす」と訓読する。もと、孔子が重んじた「仁」について、弟子の顔淵がんえんに答えた語。
こぼくかんがん【枯木寒巌】
世俗に超然とした悟りの境地のたとえ。枯れた木と冷たい岩の意から。仏教、特に禅宗で「枯木」「寒巌」を、情念を滅却した悟りの境域にたとえる。また、情味がなく冷淡で取っつきにくい態度・性質などのたとえに用いられることもある。▽「巌」はいわお。高く大きな石。「寒巌枯木かんがんこぼく」ともいう。
しんがんじょうじゅ【心願成就】
神や仏などに心から祈っていると、願いはかなえられるということ。▽「心願」は心の中で神仏に立てる願がん。神仏に願をかけて祈ること。「成就」は思ったとおりに実現すること。
ぞうはんゆうり【造反有理】
体制に逆らうには道理があるということ。▽「造反」は謀反のこと。多く体制に追いつめられて起こす反乱をいう。毛沢東が革命戦争中に用いた言葉。のち文化大革命のときに、紅衛兵がスローガンの一つとして用いた。
たんしひょういん【箪食瓢飲】
わずかな食料で、貧苦に甘んじて学問に励むこと。また、粗末な食事のたとえ。▽「箪食」はわりご一杯の飯。「瓢飲」はひさご一杯の汁。もと孔子が顔淵がんえんの貧しい生活に甘んじて、学問に励むのを褒めた言葉。
ちょうかんせきらん【朝観夕覧】
朝な夕なに見ること。絵画などを愛玩あいがんすることをいう。▽「観」「覧」ともに見る意。
ちんぎょらくがん【沈魚落雁】
魚や雁がんも恥じらって、身を隠すほどの美人。▽もともとは『荘子そうじ』斉物論せいぶつろんに見える逸話で、人間の基準での美人を見ても魚や鳥は逃げるだけだという、価値の相対性を表した語。「落雁沈魚らくがんちんぎょ」ともいう。
どくしょさんとう【読書三到】
宋の朱熹しゅきの唱えた、読書に大切な三つの心得。目でよく見ること(眼到)、声を出して読むこと(口到)、心を集中して読むこと(心到)の三つ。
どようさぶろう【土用三郎】
夏の土用入りから3日目。この日が晴れれば豊作、雨ならば凶作といわれる。《季 夏》→彼岸太郎(ひがんたろう)八専次郎(はっせんじろう)土用三郎寒四郎(かんしろう)
はいりゅうざんか【敗柳残花】
美人が盛りを過ぎて、容貌ようぼうが衰えたことのたとえ。また、妓女ぎじょや不貞の女性などのたとえ。▽「敗柳」は枯れた柳。「敗」はものが腐ったり枯れたりすること。「残花」は花の咲き残り。すでに色香が落ちたものをいう。中国では柳葉眉りゅうようび柳腰りゅうよう花顔かがんというように、柳や花は美人を形容するときに用いられるが、それが枯れて花がらが残った様子は、すなわち美人の容貌の衰えを示すことが多い。