ふたまたこうやく【二股膏薬】
そのとき次第でどちらの側にも従うこと。また、その人。定見なく、あっちへついたり、こっちへついたりする節操のない人。▽「二股」は内股の意。「膏薬」は練り薬。内股に貼はった薬は、歩くうちに左右の足にあちこちつくことからいう。「膏」は「ごう」とも読む。
ふちあんない【不知案内】
知識や心得がなく、実情や様子が分からないこと。▽「不知」は知らないこと。「案内」は事情、様子をよく知っていること。
ふばいびでん【不買美田】
肥えた田んぼを買わないこと。転じて、子孫を甘やかし安楽な生活ができるような遺産を残さないこと。
ふわらいどう【付和雷同】
自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること。▽「付和」は定見をもたず、すぐ他人の意見に賛成すること。「雷同」は雷が鳴ると万物がそれに応じて響くように、むやみに他人の言動に同調すること。「雷同付和らいどうふわ」ともいう。「付」は「附」とも書く。
ふんしょうぎょくたく【粉粧玉琢】
女性の容貌ようぼうが美しい形容。▽「粉粧」は化粧の意。「玉琢」は玉を磨く意で、女性が化粧を施して玉を磨いたように美しいこと。
ふんしょくけっさん【粉飾決算】
会社が対外的な信用の低下を防ぐため、財政状態や収支状況などを実際よりよく見えるように、損益計算書などの財務諸表の数字を偽って表示すること。
ふんぼのち【墳墓之地】
祖先代々の墓がある土地。生まれ故郷。また、そこで一生を終えて骨を埋めようと決めている土地。
ぶぶんろうほう【舞文弄法】
法の条文を都合のいいように解釈して、乱用すること。▽「舞」「弄」はともに、もてあそぶ、思うように解釈する意。「文ぶんを舞まわし法ほうを弄もてあそぶ」と訓読する。
ぶんしつひんぴん【文質彬彬】
外面の美しさと内面の質朴さが、ほどよく調和しているさま。洗練された教養や態度と、飾り気のない本性が、よく調和しているさま。▽「文」は表面の美しさ。洗練された教養や美しい態度、容貌ようぼうなどの外見。「質」は内実、実質。飾らない本性。「彬彬」はほどよくつりあっているさま。
へいいはぼう【弊衣破帽】
破れてぼろぼろの衣服や帽子。身なりに気を使わず、粗野でむさくるしいこと。特に、旧制高校の学生が好んで身につけた蛮カラな服装。▽「弊衣」は傷み破れた衣服。「破帽」は破れてぼろぼろの帽子。「破帽弊衣はぼうへいい」ともいう。「弊」は「敝」とも書く。