あんたくせいろ【安宅正路】
慈しみの徳の「仁」と、信頼の徳の「義」のたとえ。▽「安宅」は住み心地のよい家。仁を安らかな身の置き所にたとえていう。「正路」は正しい道・人の踏み行うべき正しい道という意から、義のたとえ。仁は優しさ・慈しみの、義は人間関係を保つための信義の徳をいう。
いっかけんぞく【一家眷属】
家族および家族と血縁関係にある者。一族。家臣・従者を含めることもある。またある流派に属する人々。
いっとくいっしつ【一得一失】
一方で利益があると、他方で損失があること。利益と損失がともにあるたとえ。また、物事にはよい面と悪い面がともにあるたとえ。▽「一失一得いっしついっとく」ともいう。
いっぽうつうこう【一方通行】
片方にのみ進行できること。また、そのように交通規制された道路。比喩的に、意思の疎通に相互関係がないこと。
うむそうせい【有無相生】
有と無は、有があってこそ無があり、無があってこそ有があるという相対的な関係で存在すること。また、この世のものはすべて相対的な関係にあること。▽「相生」は互いに生じ合うこと。もとは、人間の価値観は要するに相対的なものであって絶対的なものではないのに、それを絶対的なものと錯覚して、万物を勝手に歪曲わいきょくして秩序立てている人間の愚かさと危うさを警告した『老子』の中の語。「有無うむ相生あいしょうず」と訓読する。
えいせいちゅうりつ【永世中立】
国際法上、他の諸国間の戦争や紛争に関係しない義務を負い、かつ、その独立と領土の保全とが他の諸国家によって保障されている状態。スイス、オーストリアなどはその例。
えこひいき【依怙贔屓】
特に一方に心をかたむけ公平でないこと。また、好きなほうにだけ心を寄せ、肩入れすること。▽「依怙」は本来は頼る意であるが、わが国では不公平の意にもなる。「贔屓」はもと「ひき」と読み、盛んに力を用いて努力すること。転じて、特に目をかけて引き立てること。「贔」を「ひい」と読むのは「ひ」の長音化したもの。
かんたんそうしょう【肝胆相照】
お互いに心の奥底までわかり合って、心から親しくつき合うこと。心の底まで打ち明け深く理解し合っていること。▽「肝胆」は肝臓と胆嚢たんのう。転じて、心の底、まごころ。また、肝臓と胆嚢が近くにあることから密接な関係のたとえ。一般に「肝胆かんたん相あい照てらす」と訓読を用いる。
かんぽうのまじわり【管鮑之交】
互いによく理解し合っていて、利害を超えた信頼の厚い友情のこと。きわめて親密な交際のこと。▽「管」は春秋時代、斉の名宰相の管仲。「鮑」は鮑叔牙ほうしゅくが。単に鮑叔ともいう。管仲と若いときから仲がよく、仲を斉の桓公かんこうに推挙した。「交」は「こう」とも読む。
きょくがいちゅうりつ【局外中立】
国際紛争で、当事国のどちらにも味方をしないで、中立的な立場を取ること。転じて、対立関係にある者のどちらにもつかないで、公平な態度を取ること。