かくがんかんか【隔岸観火】
他人の災難に対して手を貸して救おうとせず、ただ傍観していること。岸を隔てて対岸の火事を見る意から。▽「観火」は火事を見物すること。「岸きしを隔へだてて火ひを観みる」と訓読する。
かくちにっしん【格致日新】
物事の道理や本質を追い求めて知識を深め、日々向上していくこと。▽「格致」は「格物致知」の略()。「日新」は日ごとに新しくなる、日ごとに向上する意。
かちょうふうげつ【花鳥風月】
自然の美しい景色。また、自然の風物を題材とした詩歌や絵画などをたしなむ風流にもいう。
かっかそうよう【隔靴掻痒】
痒かゆいところに手が届かないように、はがゆくもどかしいこと。思うようにいかず、じれったいこと。物事の核心や急所に触れず、もどかしいこと。靴を隔てて痒いところをかく意から。▽「掻」はかく、ひっかく。「痒」はかゆい。「痒」は「癢」とも書く。「靴くつを隔へだてて痒かゆきを掻かく」と訓読する。
がんこうけいけい【眼光炯炯】
目がきらきらと鋭く光るさま。すべてを見透かしているようで、人を圧倒する目のこと。▽「眼光」は目の光。転じて、物事の真実を見抜く力。「炯炯」はきらきらと鋭く光り輝くさま。
きいんせいどう【気韻生動】
芸術作品に気高い風格や気品が生き生きと表現されていること。また、絵画や他の芸術作品などに、生き生きとした生命感や迫力があり、情趣にあふれていること。▽「気韻」は書画など芸術作品にある気高い趣。気品。「生動」は生き生きとしているさま。また、生き生きとして真に迫ること。中国六朝りくちょう時代、南斉なんせいの人物画の名手謝赫しゃかくが、『古画品録』の中で画の六法の第一に挙げたのに始まるといわれる。
ききゅうそんぼう【危急存亡】
危険が切迫して存続するか滅びるか、生き残れるか死ぬかの瀬戸際のこと。▽「危急」は危険が迫ること。「存亡」は存続するか滅びるか、また、生きるか死ぬかの意。一般に「危急存亡の秋とき」と用いることが多い。秋は万物が実る季節であることから、大切な時の意。この熟語は個人よりも組織や集団の重大な局面についていうことが多い。
きゅうてんちょっか【急転直下】
物事の事態や情勢が突然に変化して、解決・結末に向かうこと。▽「急転」は急激に変化すること。「直下」はまっすぐにおりる、ただちに結末に向かうこと。
きょうげんきご【狂言綺語】
道理に合わない言葉や、巧みに表面だけを飾った言葉。転じて、虚構や文飾の多い小説・物語・戯曲などを卑しめていう語。▽「狂言」は道理にはずれた語。「綺語」は飾り立てた語。「語」は「ぎょ」とも読む。
ぎゅうとうかっけい【牛刀割鶏】
取るに足りない小さなことを処理するのに、大げさな方法を用いるたとえ。小さな物事を裁くのに、大人物や大げさな方法・手段などは必要ないということ。また、それらを戒めた語。鶏をさばくのに牛を切る大きな包丁を用いる意から。▽「牛刀ぎゅうとうもて鶏にわとりを割さく」と訓読する。また「割鶏牛刀かっけいぎゅうとう」ともいう。