くんしのきゅうし【君子九思】
君子である者が思い心がけるべき九つのこと。物を見るときは細かいところまでしっかり見る、話を聞くときは正確に聞く、表情は穏やかにする、身ぶりはつつましくする、物をいうときには真心をこめる、仕事は慎重にする、疑問を感じたら質問する、怒るときはその結果生じる難事・難題を考える、利益についてはそれが正当かどうか考えて善悪を吟味する、の九つのこと。
ごうりせんり【毫釐千里】
初めはごくわずかな違いでも、最後は大きな違いになってしまうことのたとえ。また、初めはごくわずかなミスでも、最後は大きな誤りになってしまうことのたとえ。何事も初めは慎重にすべきだと戒めることば。
さつげんかんしき【察言観色】
人の言葉をよく察し、顔つきをよく観察してあざむかれず、人の性質や考え方を見抜くこと。また、人の言葉をよく聞き分け、人の顔色を見抜く聡明そうめいさをいう。▽「言」は言葉。「色」は顔つき・顔色。「言げんを察さっして色いろを観みる」と訓読する。
さんしこうこう【三思後行】
物事を行うとき、熟慮したのち、初めて実行すること。三たび思い考えた後に行う意から。もとは、あまりに慎重になり過ぎると断行できず、また、別の迷いを生ずるのを戒める言葉であったが、今では一般に軽はずみな行いを戒める語として用いられる。▽「思」は思い考える、熟慮する意。一般に「三みたび思おもいて後のちに行おこなう」と訓読を用いる。
しりょふんべつ【思慮分別】
物事に注意深く考えをめぐらし、判断すること。物事の道理をよく考え、深く思いを凝らして判断すること。▽「思慮」はいろいろ慎重に考えること。「分別」は物事の是非や道理を常識的に判断すること。
ろうせいじちょう【老成持重】
十分に経験を積んで物事に長じ、しかも慎重なこと。▽「老成」は経験を積んで、人格・技能・教養などが十分に熟達していること。「持重」は大事をとって慎重にする意。