1 一つの口。同じ口。また、一人の人。いっく。
3 同じように口をそろえて言うこと。
「お家の柱をかぶりくらふ佞人 (ねいじん) と、此の和田兵衛を—の、御挨拶こそ心外なれ」〈浄・源頼家源実朝鎌倉三代記〉
4 ひとくち。
「—の食」〈地蔵菩薩霊験記・五〉
1 全然。まったく。「何を言われても—に動じない」
2 (あとに打消しの語を伴って)ちっとも。少しも。「—に存じません」「服装には—に構わない」
3 ひたすら。いちずに。
「その儀では候はず、—御一家の御上とこそ承り候へ」〈平家・二〉
4 いっそのこと。むしろ。
「さもなくば—に時宗が首討って」〈浄・大磯虎〉
「今日は—なものさ。この腹ぢゃあ飲めやせん」〈洒・通気粋語伝〉
一口に出ずるが如し
《「韓非子」内儲説から》大勢の人の言うことが一人の口から出たように同じであること。異口同音。
いっこういっき【一向一揆】
室町・戦国時代に近畿・北陸・東海地方に起こった一向宗(浄土真宗)門徒の一揆。僧侶、門徒の農民を中心に、名主・地侍が連合して、守護大名・荘園領主と戦った。加賀一揆のように一国を支配したものもあったが、天正8年(1580)の石山本願寺に対する織田信長の石山合戦を最後に幕を閉じた。
いっこうしき【一向式】
[形動][文][ナリ]《「しき」は副助詞》まさにその状態そのものであるさま。まったく。まるっきり。「此娘 (このこ) はズー体ばかり大くッても—なお懐 (ぽっぽ) だもんだから」〈二葉亭・浮雲〉
出典:青空文庫
・・・んなものだと云うと、一口に説明する事は困難だが、苦労人と云う語の・・・ 芥川竜之介「兄貴のような心持」
・・・あるような気がして、一向勝ち映えのある心もちになれない。ましてこ・・・ 芥川竜之介「兄貴のような心持」
・・・そこで彼は敵打の一行が熊本の城下を離れた夜、とうとう一封の書を家・・・ 芥川竜之介「或敵打の話」