[副]戸などをたたく音や、斧 (おの) で木を切る音などを表す語。
    1. 「父が―と扉をたたいて」〈康成・青い海黒い海〉

    2. 「宮造る飛騨の匠の手斧 (てをの) 音―しかるめをも見しかな」〈拾遺・雑恋〉
[名](中国地方で)小正月の夜、若者や子供が、蓑笠 (みのかさ) や頭巾 (ずきん) をつけて家々の門を訪れ、「ほとほと」と唱えて餅 (もち) や祝儀などをもらう行事。ことこと。かせどり。 新年》「―の裸に蓑を着たりけり/冬葉」

[副]

  1. 困り果てた、また、うんざりした気持ちを表す語。まったく。つくづく。「弟には―手を焼いている」

  1. ほとんど。

    1. 「或いは稗史体と―相類似するものあり」〈逍遥小説神髄

  1. すんでのことで。あやうく。

    1. 「帰り来 (け) る人来たれりと言ひしかば―死にき君かと思ひて」〈・三七七二〉

出典:青空文庫