[動ラ五][文]を・り[ラ変]
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㋐人が存在する。そこにいる。「海外に何年—・られましたか」
㋑「いる」の古風な、または尊大な言い方。また、「いる」に比べて方言的な響きを帯びる。「君はそこに—・ったのか」「都会にはセミも—・らんようになった」
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2 (「おります」の形で、自分や自分の側の者についていう)「いる」の丁寧な言い方。「五時までは会社に—・ります」
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3 動詞の連用形に付いて用いる。
㋐(相手を軽蔑する気持ちを込めて)…やがる。「あんなやつに負け—・って」
㋑自分を卑下する気持ちを表す。
「私も隣の京屋にゐ—・ります」〈伎・夕霧七年忌〉
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4 (「立つ」に対して)すわっている。
「しきたへの床の辺 (へ) 去らず立てれども—・れどもともに戯 (たはぶ) れ」〈万・九〇四〉
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5 (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて用いる。
㋐「…ている」の古風な、または尊大な言い方。「そこに控えて—・れ」
㋑(「…ております」の形で)「…ている」の丁寧な言い方。「ただ今、外出して—・ります」
[補説](1)助動詞「
れる」の付いた「おられる」「…ておられる」の形で尊敬表現に用いられる。(2)もとは
ラ変活用。室町時代以後、
四段活用に変化。