《autoはギリシャ語で自分自身、phagyは食べることの意》細胞が細胞内のたんぱく質を分解する仕組みの一。分解対象物を輸送するメカニズムの違いによってマクロオートファジー・ミクロオートファジー・シャペロン介在オートファジーに分類されるが、単にオートファジーという場合、マクロオートファジーをさすことが多い。マクロオートファジーでは、細胞内に袋状の隔離膜が出現して細胞質の一部を取り囲み、オートファゴソームを形成する。これにリソソーム(酵母や植物では液胞)が融合し、たんぱく質やミトコンドリアなどの細胞小器官がまとめて分解される。マクロオートファジーは、酵母から哺乳類まですべての真核生物にみられ、栄養飢餓時のアミノ酸供給、細胞内環境の維持のほか、疾患の抑制、個体の発生・分化、老化、免疫など、さまざまな生理機能に重要な役割を果たしている。2016年、オートファジーの仕組みの解明により、大隅良典がノーベル生理学・医学賞を受賞した。自食。自食作用。自己貪食。オートファゴサイトーシス。→ユビキチン‐プロテアソーム系