じんしゃふゆう【仁者不憂】
日頃から行いをよくしていれば、少しのことでくよくよ心配しないものだということ。徳の高い優れた人物は、道理や天命によく従っているので、心配したり嘆いたりしないという意味。
じんしょうてきく【尋章摘句】
つまらない些細ささいなことばかりにこだわって、広く全体を見通した、ものの見方ができないたとえ。▽「尋章」は文の一節のことを考えること。「摘句」は句を取り出す、重要な句を選び出すこと。文章や詩の一章一句の細かな部分に気をとられ、全体の意味や趣旨が理解できないという意から。「章しょうを尋たずね句くを摘つむ」と訓読する。
じんちゅうほうこく【尽忠報国】
忠節を尽くし、国から受けた恩に報いること。▽「尽忠」は君主や国家に忠義・忠誠を尽くすこと。「報国」は国のために力を尽くして国の恩に報いること。中国宋そうの岳飛がくひはたいへんな忠誠心の持ち主で「尽忠報国」の四文字を背中に入れ墨をしていたと伝えられる。
すいえいろうじん【吹影鏤塵】
やってもかいのない、無駄な努力をすること。影を吹いたり、細かなちりに刻みを入れようとする意から。▽「鏤」は刻む、彫りつけること。「る」とも読む。一般に「影かげを吹ふき塵ちりに鏤ちりばむ」と訓読を用いる。「鏤塵吹影ろうじんすいえい」「鏤塵吹影るじんすいえい」ともいう。
すいきんせんぎょく【炊金饌玉】
たいへん豪華でぜいたくな食事。たいへんなごちそうの意。黄金を炊いて食物とし、玉を取りそろえて膳ぜんに並べる意から。美食を褒めたたえるたとえ。また、他人のもてなしを謝する言葉。▽「金きんを炊かしぎ玉ぎょくを饌そなう」と訓読する。
すんぜんしゃくま【寸善尺魔】
この世の中には、よいことが少なく悪いことばかりが多いたとえ。また、よいことにはとかく妨げが多いこと。▽「寸善」は一寸の善で、少しばかりのよいこと。「尺魔」は一尺の悪いこと。一尺は一寸の十倍の長さで、「寸善」より「尺魔」のほうが多い意。「尺」は「せき」とも読む。
ずいかんずいひつ【随感随筆】
思うまま感じるままに書き付けること。また、その文。▽「随感」は感じるままに、思うままにの意。「随筆」は筆にまかせて、筆のおもむくままに書き記したもの。
ずいぎしょせつ【随宜所説】
相手の心や性質や能力に応じて、理解できるように説いた仏法のこと。▽仏教語。「随宜」は教えを聞く相手に順応すること。「宜よろしきに随したがいて説とく所ところ」と訓読する。
せいしかんかん【青史汗簡】
歴史書のこと。▽「青史」は歴史のこと。「汗簡」は油を抜いた竹の札で、文書・書物のこと。昔、紙がまだなかったころ、青竹を火であぶり青みと油(汗)を去って書きやすくし、漆で記録したことからいう。
せいしんせいい【正心誠意】
《「礼記」大学から》心を正しく保つには、自分をいつわらず誠実に対処すべきであるということ。理想の政治を行うための心得を説いた文章の一節。