たぞうこうぼう【多蔵厚亡】
財物をたくさん貯えることは、必ず巨大な損失につながる意。欲が深いと人間関係が駄目になって、やがては財物ばかりかすべてを失ってしまうというたとえ。▽「多蔵」はたくさん貯えること。「厚亡」は損失が大きい意。一般に「多おおく蔵ぞうすれば厚あつく亡うしなう」と訓読を用いる。
たつじんたいかん【達人大観】
物事の道理に広く通じている人は、物事の全体を客観的に見渡すことができるということ。
たりきほんがん【他力本願】
自分の力でなく、他人の力によって望みをかなえようとすること。▽「本願」は仏が修行しているときに立てた誓い。本来は阿弥陀如来あみだにょらいの本願によって極楽往生ごくらくおうじょうを得ること。
たんだいしんしょう【胆大心小】
大胆でいて、しかも細かな注意を払うさま。▽「胆」は度胸。「心」は気くばりのこと。
だいひょうひまん【大兵肥満】
大きなからだで太っていること。また、そのような人。▽「大兵」は大きくたくましいからだ。また、その人。「肥満」はからだが肥え太っていること。
だそうきょうだ【打草驚蛇】
草をたたいてその奥にいる蛇を驚かす意から、あるものを懲らしめることによって、他のものに警告するたとえ。後に、よけいなことをして、かえってつまらない災難を受けるたとえ。無用のことをしてかえって相手に警戒心を起こさせてしまうたとえ。▽「打草」は草をたたく、「驚蛇」は蛇を驚かす意。一般に「草くさを打うって蛇へびを驚おどろかす」と訓読を用いる。
だんきんのまじわり【断金之交】
友人同士がきわめて固い友情で結ばれていること。
だんしょうしゅぎ【断章取義】
書物や詩を引用するときなどに、その一部だけを取り出して自分の都合のいいように解釈すること。▽「章」は文章。また、詩文の一編。「断章」は文章の一部を取り出すこと。「取義」はその意味をとること。「章しょうを断たち義ぎを取とる」と訓読する。
ちきほうゆう【知己朋友】
よく自分のことを知ってくれている友人のこと。また、よく待遇してくれる人。▽「知己」は自分の人柄・才能をよく知ってくれている人。親友の意。「己」はおのれ。「朋友」は友達、友人のこと。
ちくしつどうぼう【築室道謀】
余計な意見ばかり多くてまとまらず、物事がなかなか完成しない、また、結局失敗することのたとえ。▽「築室」は家を建てること。「道謀」は道を行き来する人に相談すること。家を建てようとして道行く人に相談していると、いろいろな意見があって一定の見解がなく、決着できないことから。