くんしのきゅうし【君子九思】
君子である者が思い心がけるべき九つのこと。物を見るときは細かいところまでしっかり見る、話を聞くときは正確に聞く、表情は穏やかにする、身ぶりはつつましくする、物をいうときには真心をこめる、仕事は慎重にする、疑問を感じたら質問する、怒るときはその結果生じる難事・難題を考える、利益についてはそれが正当かどうか考えて善悪を吟味する、の九つのこと。
ぐんけいせつじく【群軽折軸】
微細なものでも数多く集まれば大きなものになるたとえ。小さい力もこれを合わせ集めれば大きな力となるたとえ。きわめて軽いものでも多く積めば重くなって、それを載せた車の軸が折れてしまう意から。▽「群軽」は軽いものが多く集まったもの。「軸」は車の軸。「群軽ぐんけい軸じくを折おる」と訓読する。
ぐんゆうかっきょ【群雄割拠】
多くの英雄や実力者たちが各地に勢力を張り、互いに対立して覇はを競い合っていること。▽「群雄」はたくさんの英雄・実力者。「割拠」はそれぞれが土地を分かち取り、そこを本拠として勢力を張ること。中国や日本の戦国時代などの状況をいう。
けいてんあいじん【敬天愛人】
天を敬い人を愛すること。▽「敬天」は天をおそれ敬うこと。「愛人」は人をいつくしみ愛すること。西郷隆盛さいごうたかもり(号は南洲なんしゅう)が学問の目的を述べた語として有名。
けっかふざ【結跏趺坐】
仏教の座法の一つ。左右の足の甲を反対の足のももの上に交差し、足の裏が上を向くように組む座法。特に禅宗では座禅の正しい姿勢としている。▽「跏」は足の裏。「趺」は足の甲。
こうしんとうかく【鉤心闘角】
高い建物がいくつも並んでそびえ立ち、密集しているさま。また、それぞれが智略をふるって争うことのたとえ。
こうせいかい【後生可畏】
若者は、今は未熟でも来るべき時代の息吹いぶきを敏感に感じ取り、将来の大きな可能性を秘めているから、侮ってはならず、むしろおそれ敬うべきであるということ。▽「後生」は自分より後から生まれてきた者。また、若者・後輩。一般に「後生こうせい畏おそる可べし」と訓読を用いる。
こうせきゆうめい【考績幽明】
成績を審査して暗愚な者を退け、賢明な者を昇進させること。▽「考績」は官吏の成績を調べること。「幽明」は暗愚と賢明のこと。「幽」は暗い意。古代中国では三年に一度諸官の成績を調べ、それを三度(合計九年)調べて暗愚な者を退け、賢明な者を昇進させたという。
こうちゅうないじゅん【黄中内潤】
才能や徳が内に充実していること。また、それを内に深くしまい込んで外に表さないこと。▽「黄中」は中庸の美徳が内にあること。美徳が内に充実していること。「黄」は五行ごぎょうで中央の色に配当され、「中」は中庸の徳をいう。「黄中」は『易経えききょう』坤こんにある語。「内潤」は内にあるつやの意。また、内が徳で潤っていること。内に充実した才能や徳をいう。
こうりょうゆうかい【亢竜有悔】
高い地位についた人、名声を得た人、また、大金持ちになった人など、栄耀栄華えいようえいがをきわめた人たちは、つつしまないと大きな失敗をして後で後悔するということ。また、それを戒めることば。