せんゆうこうらく【先憂後楽】
常に民に先立って国のことを心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむこと。北宋の忠臣范仲淹はんちゅうえんが為政者の心得を述べた言葉。転じて、先に苦労・苦難を体験した者は、後に安楽になれるということ。▽「憂」は心配すること。
せんりどうふう【千里同風】
世の中がよく治まっていて平和であること。逆に世の中全体が混乱していることをいうときもある。▽「千里」は遠く離れた地域。「同風」は同じ風が国土の隅々まで行き渡っている意味。「風」は風俗・教化の意。
ぜっこうきり【絶巧棄利】
巧みに作られた機械や道具など便利なものを捨てて、自然の生活に戻ること。▽「絶巧」は人の力で巧みに作られたものを絶つこと。「棄利」は便利に作られたものを捨てること。「巧こうを絶たち利りを棄すつ」と訓読する。
ぜんごしょち【善後処置】
残った問題を処理すること。事件などの後始末。善後策。
ぜんだいみもん【前代未聞】
これまでに聞いたこともないような珍しく変わったこと。また、たいへんな出来事。▽「前代」は現在よりも前の時代、過去。「未聞」は、まだ聞いたことがないという意味。
ぜんにゅうかきょう【漸入佳境】
話や状況などがだんだん興味深い部分にさしかかってくること。▽「漸入」はだんだんその段階に入っていくこと。「佳境」はよい境地、最も興味深くおもしろいところ。一般に「漸ようやく佳境かきょうに入いる」と訓読を用いる。
そうかいのいちぞく【滄海一粟】
広大な宇宙に比べて、人間の存在は小さく、その一生などはかないものであるということ。また、比較にならないほどきわめて小さいこと。海原に浮かんだ一粒の粟あわの意から。
そうこんぼくひ【草根木皮】
草の根と木の皮の意で、まっとうな食べ物ではないもののこと。また、漢方薬で用いられる原料のこと。▽前者の意は飢饉ききんなどで食糧不足に陥ったときの様子として表す。後者の意は漢方薬の原料の代表をいったもの。「木」は「もく」とも読む。
そうしそうあい【相思相愛】
互いに慕い合い、愛し合っていること。▽「相思」は相手を慕い合うこと。「相愛」は互いに愛し合うこと。多く男女間に用いるが、自分の入りたいチームなどが自分を獲得したがっている状態などにも用いる。
そうもくかいへい【草木皆兵】
相手の勢いなどに恐れおののくあまり、何でもないものに対しても、自分の敵であるかのように錯覚しておびえること。▽草や木を見てすべて敵兵と思い、恐れおののく意。