しゃえんしゅうこう【社燕秋鴻】
出会ったばかりですぐに別れてしまうこと。ほんの一瞬、出会うこと。
しゃくきんぼうえん【釈近謀遠】
身近なところや今をおろそかにして、いたずらに遠いところや、はるか将来のことばかり考えること。実際的なことを考えず、迂遠うえんなことをするたとえ。また、身近なところや今を、よく考えるべきであるという戒めの語。▽「釈」は捨てる意。一般に「近ちかきを釈すてて遠とおきを謀はかる」と訓読を用いる。
しゃしぶんじゃく【奢侈文弱】
おごってぜいたくを尽くし、文事にばかりふけって弱々しいこと。また、そのさま。▽「奢侈」は度を越えたぜいたく。「文弱」は学問や詩文など、文事ばかりにふけって弱々しいこと。
しゃほんちくまつ【舎本逐末】
物事の根本をおろそかにして、末節に心を配ること。▽「舎」は捨てる意。「本」は根本の意。「逐末」は末節、つまらないものを追い求めること。一般に「本もとを舎すてて末すえを逐おう」と訓読を用いる。
しょうねつじごく【焦熱地獄】
焦げて燃え上がらんばかりに熱い場所のこと。悪事をはたらいた者が、地獄で投げ込まれる猛火の場所の意味。八大地獄の一つ。
じょうしょうかおく【畳牀架屋】
重複して、無駄なことをすること。床の上に床を張り、屋根の上にさらに屋根を作るという意味。また、真似まねばかりしていることもいう。
じんしょうてきく【尋章摘句】
つまらない些細ささいなことばかりにこだわって、広く全体を見通した、ものの見方ができないたとえ。▽「尋章」は文の一節のことを考えること。「摘句」は句を取り出す、重要な句を選び出すこと。文章や詩の一章一句の細かな部分に気をとられ、全体の意味や趣旨が理解できないという意から。「章しょうを尋たずね句くを摘つむ」と訓読する。
すいせいむし【酔生夢死】
何もせずに、むなしく一生を過ごすこと。生きている意味を自覚することなく、ぼんやりと無自覚に一生を送ること。酒に酔ったような、また、夢を見ているような心地で死んでいく意から。
すんしんしゃくたい【寸進尺退】
少し進んで、大きく後退してしまうこと。また、得るものが少なく、失うことばかりであること。一寸(約三センチ)進んで、一尺(一寸の一〇倍)退くという意味。
すんぜんしゃくま【寸善尺魔】
この世の中には、よいことが少なく悪いことばかりが多いたとえ。また、よいことにはとかく妨げが多いこと。▽「寸善」は一寸の善で、少しばかりのよいこと。「尺魔」は一尺の悪いこと。一尺は一寸の十倍の長さで、「寸善」より「尺魔」のほうが多い意。「尺」は「せき」とも読む。