きゅうしゅぎょうぎ【鳩首凝議】
人々が集まり、額を寄せ合って熱心に相談すること。▽「鳩」は集める意。「鳩首」は頭を集めることで、人々が集まり額を突き合わせる意。「凝議」は熱心に議論すること。「凝」はこらす、集中する意。
きゅうせいさいみん【救世済民】
世の中を救い、人々を苦しみから助けること。▽「救世」は悪い世の中を救ってよいほうに導くこと。特に宗教の力で、この世の苦しみから人々を救うこと。「済民」は人民の難儀を救うこと。「済」も救う、救助する意。
きょおうじっき【虚往実帰】
師などから無形の感化や徳化を受けるたとえ。行くときは何も分からずに空っぽの心で行って、帰るときには充実して、十分に満足している意から。▽出典では、王駘おうたいという人物が教え諭すわけでも道理を論ずるわけでもないのに、教えを請う者は空っぽの心でそこに行き、帰りには得るところがあって十分満足しているといい、王駘は言葉には出さないが、自然に相手を感化する教えを心得た人物として描かれている。「虚往」は空っぽの頭で行くこと。「実帰」は充実して帰る、また、十分に満足して帰る意。「虚きょにして往ゆき実じつにして(実みちて)帰かえる」と訓読する。
さいちょうほたん【採長補短】
人のよいところを取り入れて、自分の短所や足りないところを補うこと。また、物事のすぐれたところや余ったところから取り入れて、不備なところや足りないところを補うこと。▽「長」は長所。また、余ったところ、はみ出したところ。「短」は短所。また、足りないところ。「長ちょうを採とり短たんを補おぎなう」と訓読する。
しのうこうしょう【士農工商】
官吏・農民・工人・商人の職分による四つの身分階級。日本では近世封建社会の身分制で、武士・農民・職人・商人をいう。
しらんのまじわり【芝蘭之交】
①徳の高い人々との麗しい交際。よい感化をもたらす優れた人との付き合い。②君子や高潔な人々同士の社交。
ちきほうゆう【知己朋友】
よく自分のことを知ってくれている友人のこと。また、よく待遇してくれる人。▽「知己」は自分の人柄・才能をよく知ってくれている人。親友の意。「己」はおのれ。「朋友」は友達、友人のこと。
てんじんめいごう【天人冥合】
天意と人の言行が自然と一致すること。人の言行が正しければ、おのずとそれは天意であること。
てんりじんよく【天理人欲】
天地自然の条理と人の欲望。人間の心の中に本性として存在する天の道理と、心が外からの影響を受けて生じる感情や欲望。▽「天理」は人為ではない万物の正しい道理。万物の調和を保つ条理。また、人間も含めて万物の本性。「人欲」は、心が外界に触発されて生じる動き。人の本性を覆い隠すもの。
ぼんのうぼだい【煩悩菩提】
悟りの障害となる人間の迷いの煩悩も、そのまま悟りにつながるきっかけとなること。悟りも悟りの実現を妨げる煩悩も、永久不変の真如しんにょの現れであり、人間の本性であるから、本来別のものでなく、二つは一体であるということ。また、迷いがあって初めて悟りもあるという意。▽大乗仏教の言葉。「煩悩」は心身を悩ます欲情の心の働きの意。「菩提」は一切の迷いのない悟りに至る境地の意。「煩悩即そく菩提」の略。