えんとういっかつ【鉛刀一割】
鉛でできた切れ味の悪い刀でも、一度は物を断ち切ることができる意から、凡庸な人でも時には力を発揮できるときがあるたとえ。多くは自分の微力を謙遜けんそんしていう語。また、一度用いると二度と使えないことから、一度しか使えず二度と役に立たないことのたとえ。
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。
かいてんのちから【回天之力】
天下の情勢を一変させるほどの大きな力。また、困難な状況を一変させるほどの大きな力。
がんこうしゅてい【眼高手低】
目は肥えているが、実際の技能や能力は低いこと。知識はあり、あれこれ批評するが、実際にはそれをこなす能力がないこと。また、理想は高いものの実力が伴わないこと。▽「眼高めたかく手低てひくし」と訓読する。
ぐんゆうかっきょ【群雄割拠】
多くの英雄や実力者たちが各地に勢力を張り、互いに対立して覇はを競い合っていること。▽「群雄」はたくさんの英雄・実力者。「割拠」はそれぞれが土地を分かち取り、そこを本拠として勢力を張ること。中国や日本の戦国時代などの状況をいう。
せいりょくぜつりん【精力絶倫】
心身の活動がきわめて強くすぐれているさま。精力が飛び抜けて強いさま。▽「精力」は心身の活動力のこと。「絶倫」は群を抜いてすぐれている意。
ぜんしんぜんれい【全身全霊】
その人に備わっている体力と精神力のすべて。▽「身」は肉体。「霊」は肉体に対する精神のこと。その人のもっているものすべてを表す。
ばつざんがいせい【抜山蓋世】
山を引き抜くほどの強大な力と、世を覆い尽くすほどの気力があること。威勢がきわめて盛んなさま。もとは漢の劉邦りゅうほうと天下を争った楚その項羽こううが、寵愛ちょうあいの虞美人ぐびじんと最後の酒宴を催した折に、自分の盛んな力量と意気をいった語。▽「抜山」は山を引き抜くこと。「蓋世」は世を覆う、世を圧倒すること。「力は山を抜き、気は世を蓋おおう」の略。「山やまを抜ぬき世よを蓋おおう」と訓読する。
りくりょくきょうしん【戮力協心】
全員の力を結集し、一致協力して任務に当たること。▽「戮」には合わせる、一つにする意があり、「戮力」は力を合わせること。「協心」は心を乱さず、調和をはかること。「協心戮力きょうしんりくりょく」ともいう。
わちゅうきょうどう【和衷協同】
心を同じくして共に力を合わせ、仕事や作業に当たること。▽「和衷」は心の底からなごみ和らぐこと。また、心を同じくすること。「衷」は中心・心の意。「協同」は力を合わせて物事を行うこと。