いっきょいちえい【一虚一盈】
あるいはむなしく、あるいは満ちる意。一定の形を保たず、消えたり現れ満ちたり、常に変化して予測しにくいことのたとえ。▽「虚」はむなしい、なくなる意。「盈」は満ちること。「一…一…」は「あるときは…あるときは…」の意。
きょおうじっき【虚往実帰】
師などから無形の感化や徳化を受けるたとえ。行くときは何も分からずに空っぽの心で行って、帰るときには充実して、十分に満足している意から。▽出典では、王駘おうたいという人物が教え諭すわけでも道理を論ずるわけでもないのに、教えを請う者は空っぽの心でそこに行き、帰りには得るところがあって十分満足しているといい、王駘は言葉には出さないが、自然に相手を感化する教えを心得た人物として描かれている。「虚往」は空っぽの頭で行くこと。「実帰」は充実して帰る、また、十分に満足して帰る意。「虚きょにして往ゆき実じつにして(実みちて)帰かえる」と訓読する。
こうぼういっせん【光芒一閃】
光がぴかっと一瞬光るように、事が急激に、また瞬時に変化する形容。▽「光芒」はきらきらする光。光の穂先の意。「一閃」は一瞬ぴかっと光ること。「閃」はきらめく、ぴかっと光る意。
ごぞうろっぷ【五臓六腑】
はらわた。内臓。からだの中すべて。また、腹の中。心の中。五つの内臓と六つのはらわたの意。▽もと漢方の語。「五臓」は心臓・肺臓・脾臓ひぞう肝臓・腎臓じんぞう。転じて、全身の意。「六腑」は大腸・小腸・胃・胆・膀胱ぼうこう三焦さんしょう。三焦は胃の上(上焦)、胃の中(中焦)、膀胱の上(下焦)で消化や排泄はいせつをつかさどる。古い典籍では「臓」は「蔵」、「腑」は「府」と書かれることもある。
さいせいいっち【祭政一致】
祭事と政治とが一体化していること。宗教的な主宰者と政治の主権者とが一致していること。また、そうした考えやそのような政治形態。古代社会に多い。▽「祭政」は祭礼を行うことと政治をすること。「政教」と同義。「一致」は一つになること。
てんまはじゅん【天魔波旬】
仏教のことばで、人の命や善根を絶つ悪魔。他化自在天(第六天)の魔王のこと。
はいぶつきしゃく【廃仏毀釈】
仏教排斥のための運動のこと。仏法を廃し、釈迦しゃかの教えを放棄する意。▽「釈」は釈迦のこと。「毀」は壊す、悪口をいう意。中国では南北朝時代から宋そう代の直前までに起こった四回の廃仏令「三武一宗の法難」、日本では明治政府の神仏分離令に基づく寺社排斥運動が有名。「仏ほとけを廃はいして釈しゃくを毀そしる」と訓読する。「排仏棄釈」とも書く。
ばんりどうふう【万里同風】
天下が統一されて平和に治まり、はるか遠くまで風俗・文化が同じになること。天下が統一される形容。また、世の中が平和に治まることの形容。▽「万里」ははるかかなたのこと。「風」は風俗の意。「同風」は同じ風俗になることで、天下が統一されること。「万里ばんり、風ふうを同おなじうす」と訓読する。
ひゃっかせいほう【百花斉放】
学問・科学・文化・芸術活動などが、自由にまた活発に行われること。いろいろな花が一斉に咲き開く意から。中国共産党のスローガンの一つ。▽「百花」は種々の花、「放」は開く意で、「斉放」は一斉にそろって咲くこと。
ふこくきょうへい【富国強兵】
国を豊かにし、兵力を増強すること。国の経済力や軍事力を高めること。