いちぼくなんし【一木難支】
ひとたび崩壊しかかると、一人の力ではどうすることもできないということ。▽「一木、大廈たいかの崩くずるるを支ささうる能あたわず」が常用句。「大廈」は大きな建物。大きな建物が崩れるときは、もはや一本の柱では支えられない、という意。「一木いちぼく支ささえ難がたし」と訓読する。
いっすんのこういん【一寸光陰】
ごくわずかな時間のこと。ほんのわずかな時間も無駄にしてはいけないという戒めの語。▽「一寸」はちょっと・わずかの意。ごく短いことのたとえ。「光陰」は時間や年月の意。「光」は昼、「陰」は夜とも、また「光」は日、「陰」は月ともいう。「一寸の光陰軽んずべからず」という慣用句として用いられることが多い。
かちょうふうえい【花鳥諷詠】
四季の移り変わりによる自然界や人間界のあらゆる現象を、そのまま客観的にうたうべきであるとする俳句理念。▽高浜虚子たかはまきょしが提唱し、ホトトギス派の基本理念となった。「花鳥」は自然のたとえ。「諷詠」は詩歌をうたい作ること。
げっかすいこう【月下推敲】
詩や文章を作るとき、その語句や表現などを何度も練り直すこと。
さんちゅうれきじつ【山中暦日】
俗世間を離れて、山の奥深くで悠々と生活すること。「山中さんちゅう暦日れきじつ無なし」という句の略で、人里離れた山の中で暮らしていると、月日の過ぎるのも忘れてしまうという意。
せいせいせつせつ【凄凄切切】
きわめて物さびしいさま。▽「凄切」がきわめて物さびしいさま。それを重ねて、さらに意味を強調した四字句。
ちょうぶんこくる【雕文刻鏤】
器などに細工をして飾ること。転じて、文章の細部を工夫し飾ること。▽「雕文」は模様を彫刻すること。「刻鏤」は彫りつけること。「刻」は木に彫りつける、「鏤」は金属に彫りつける意。「雕」は「彫」とも書く。
ちんうつとんざ【沈鬱頓挫】
詩文の字句や内容に風格があり過ぎて、奥深く、また含蓄に富み、意味が通じにくいこと。また、読みにくいこと。
びじれいく【美辞麗句】
巧みに美しく飾った言葉。うわべだけ飾った内容の乏しい、また真実味のない言葉の意。▽「辞」は言葉・言語。「麗句」は美しい語句の意。
ぶぶんきょくひつ【舞文曲筆】
いたずらに言辞をもてあそび、事実を曲げて書くこと。▽「舞文」は言辞をもてあそぶ意で、事実を曲げて書くこと。また、法を曲げ解釈し、乱用すること。「曲筆」は事実を曲げて書くこと。「文ぶんを舞まわしめ筆ふでを曲まぐ」と訓読する。「曲筆舞文きょくひつぶぶん」ともいう。