あびきょうかん【阿鼻叫喚】
非常な辛苦の中で号泣し、救いを求めるさま。非常に悲惨でむごたらしいさま。地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。▽「阿鼻」は仏教で説く八熱地獄の無間むけん地獄。現世で父母を殺すなど最悪の大罪を犯した者が落ちて、猛火に身を焼かれる地獄。「叫喚」は泣き叫ぶこと。一説に八熱地獄の一つの大叫喚地獄(釜かまゆでの地獄)の意。
きょうかんじごく【叫喚地獄】
泣き叫ばずにはいられないような状況のこと。
こんりんならく【金輪奈落】
「金輪際こんりんざい」に同じで、物事の極限、きわまるところ。また、どこまでも、とことん。また絶対に、断じての意。▽仏教語。「金輪」は大地の下に三つの層(三輪)があり、風輪・水輪の上にあるとされる、大地のはるか下の金輪の底の意。「奈落」は地獄のこと。
ごずめず【牛頭馬頭】
地獄にいるという獄卒ごくそつ(地獄で罪人を責めさいなむ鬼)のこと。また、地獄の獄卒のように情け容赦のない人のこと。
しょうじるてん【生死流転】
衆生しゅじょうが煩悩を捨てられず、解脱することもなく、苦しい生死の世界を果てることもなく巡ること。▽仏教の世界では、人間は生死を繰り返して、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六界)を次々と巡ると考えていた。
しょうねつじごく【焦熱地獄】
焦げて燃え上がらんばかりに熱い場所のこと。悪事をはたらいた者が、地獄で投げ込まれる猛火の場所の意味。八大地獄の一つ。
たいざんふくん【泰山府君】
中国の泰山の神。道教で人の寿命・福禄ふくろくをつかさどる神とされる。仏教と習合し十王の一人に数えられ、閻魔えんま王の太子とも、その書記ともいう。▽「府君」はここでは神の名。日本では素戔鳴尊すさのおのみことと同一視されて、陰陽家おんみょうかでまつられる。「泰」は「太」とも書く。「府」は「ぶ」とも読む。
はちだいじごく【八大地獄】
熱気で責め苦しめられる8種の地獄。等活・黒縄(こくじょう)・衆合(しゅごう)・叫喚・大叫喚・焦熱・大焦熱・阿鼻(無間(むけん))の八地獄。八熱地獄。八大奈落。→地獄1
はちねつじごく【八熱地獄】
仏教のことばで、数ある地獄のうち、炎と熱による苦しみで苛さいなまれる八種の地獄の総称。
はっかんじごく【八寒地獄】
仏教でいう地獄のうち、寒さと氷で亡者を苦しめる八種の地獄の総称。