いっしそうでん【一子相伝】
学問や技芸などの秘伝や奥義を、自分の子供の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないこと。▽「相伝」は代々伝えること。
いぶけいぶん【緯武経文】
学芸と武術の両方を重んじて、政治の土台にすること。文武の両道を兼ねた政治の理想的姿。武を横糸に文を縦糸にして、美しい布を織る意から。▽「緯」は横糸。「経」は縦糸。「武ぶを緯いにし文ぶんを経けいにす」と訓読する。「経文緯武けいぶんいぶ」ともいう。
いへんさんぜつ【韋編三絶】
何度も繰り返し、熱心に本を読むことのたとえ。また、学問に熱心なことのたとえ。▽「韋編」は文字を書いた木札(木簡という)や竹の札(竹簡という)を皮のひもで綴つづった古代中国の書物。「三絶」は三度断ち切れる意。また、何度も断ち切れる意。「三」は三度の意と数の多いことを表す場合とがある。「韋編いへん三みたび絶たつ」と訓読する。
えいごうかいき【永劫回帰】
宇宙は永遠に循環運動を繰り返すものであるから、人間は今の一瞬一瞬を大切に生きるべきであるとする思想。生の絶対的肯定を説くニーチェ哲学の根本思想。▽ドイツ語ewigewiederkunftの訳語。
えんぶしゅうぶん【偃武修文】
戦いをやめ、文教によって平穏な世の中を築くこと。▽「偃武」は武器を伏せかたづける意。戦いをやめること。「偃」は伏せる意。「修文」は文徳を修めること。学問を修めること。「武ぶを偃ふせ文ぶんを修おさむ」と訓読する。
えんぼくのけいちん【円木警枕】
苦労して懸命に勉学に励むたとえ。また、物事に精励して寝る間も惜しむこと。眠り込んでしまわないように、すぐ転んで目が覚めるようにした丸木の枕まくらの意から。▽「警枕」は眠り込まないようにした枕。軍中などで使われた。
おんこちしん【温故知新】
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。
かくぶつちち【格物致知】
物事の道理や本質を深く追求し理解して、知識や学問を深め得ること。『大学』から出た語で、大きく分けて二説ある。宋そうの朱熹しゅきは出典を「知を致いたすは物に格いたるに在り」と読んで、自己の知識を最大に広めるには、それぞれの客観的な事物に即してその道理を極めることが先決であると解釈する。一方、明みんの王守仁おうしゅじん(王陽明)は「知を致すは物を格ただすに在り」と読んで、生まれつき備わっている良知を明らかにして、天理を悟ることが、すなわち自己の意思が発現した日常の万事の善悪を正すことであると解釈している。他にも諸説ある。▽「致知格物ちちかくぶつ」ともいう。
がんぶつそうし【玩物喪志】
無用なものを過度に愛玩して、本来の志を見失ってしまう意で、枝葉末節なことにこだわり、真に学ぶべきことや学問の本質を見失うこと。また、自分の好みで、珍しいものなどを過度に愛好して正しい心を失うこと。▽「玩」はもてあそぶ、むさぼる意。「喪」は失う意。「物ものを玩もてあそべば志こころざしを喪うしなう」と訓読する。
しんれいげんしょう【心霊現象】
科学の力によって解明・立証のできない不可解な出来事。超自然的な現象。