うんきんせいふう【運斤成風】
非常に巧みですばらしい技術のこと。また、それをもつ職人。手斧ておのを振るって風を巻き起こす意。▽「運斤」は斧を振るうこと。「斤」は手斧の意。「成風」は風を起こすこと。風を起こすほど勢いよく振りまわす意。「斤きんを運めぐらし風かぜを成なす」と訓読する。
かいぶつせいむ【開物成務】
万物を開発してあらゆる事業を完成させること。また、人々の知識を開いて世の中の事業を成就させること。人間や禽獣きんじゅうに至るまで、閉じふさがり通じないものを開き、それぞれの事物の当然の職務や事業を成就し完遂させる意から。もと易えきの目的を述べた語。▽「開」は閉じふさがり通じないものを開き発展させる意。「物」は万物。「成」は成就の意。「務」は職務・事業の意。略して「開成」ともいう。「物ものを開ひらき務つとめを成なす」と訓読する。
かきょあっかん【科挙圧巻】
試験で最もすぐれた成績を収めること。▽「科挙」は中国の隋ずい代に制度として確立した官吏登用試験のこと。科目で人材を挙げ用いる意。「圧巻」は最優秀の答案(巻)を他の答案の上に載せたことから出た語で、最もすぐれたものが一番上にあって、他のすべての答案を圧すること。書物や演劇などの中で最もすぐれた部分、また、詩文などで多くの作品中最もすぐれたものをいう。「巻」は答案用紙の意。
かんこんそうさい【冠婚葬祭】
慣習的に定まった慶弔の儀式の総称。▽「冠」は元服・成人式、「婚」は婚礼、「葬」は葬儀、「祭」は祖先の祭礼。「婚」は「昏」、「葬」は「喪」とも書く。
がしんしょうたん【臥薪嘗胆】
将来の成功を期して苦労に耐えること。薪の上に寝て苦いきもをなめる意から。▽「臥」はふし寝る意。「薪」はたきぎ。「嘗」はなめること。「胆」は苦いきも。もとは敗戦の恥をすすぎ仇あだを討とうと、労苦を自身に課して苦労を重ねること。
がりょうてんせい【画竜点睛】
物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げのたとえ。また、物事の最も肝要なところのたとえ。文章や話などで肝心なところに手を入れて、全体をいっそう引き立てるたとえ。▽「睛」はひとみ・目玉。転じて、物事の大切なところの意。一般には「画竜点睛を欠く」と用いることが多く、この場合は最後の仕上げが不十分で、肝心なところが欠けているため精彩がないことをいう。「竜りょうを画えがいて睛ひとみを点ず」と訓読する。「竜」は「りゅう」とも読む。
きしょうてんけつ【起承転結】
漢詩の四句からなる絶句における構成法の一つ。八句からなる律詩においても二句ずつまとめて絶句に準じる。第一句(起句)でうたい起こし、第二句(承句)でこれを受けて発展させ、第三句(転句)で場面や視点を転じ、第四句(結句)でこれらを受けつつ全体をしめくくる。また、文章や話などで全体を秩序正しくまとめる構成の意として用いられる。さらに広く物事の順序、展開のしかた、構想にも用いられる。
きゅうきょじゃくそう【鳩居鵲巣】
もとは女が嫁いで、夫の家をわが家とするたとえ。転じて、労せずして他人の成功や他人の地位を横取りするたとえ。また、人の家に仮住まいするたとえとして用いられることもある。鳩はとは巣作りが下手で、それの上手な鵲かささぎの巣に住み、卵を生む意から。▽「鵲」はかささぎのこと。「鳩はと、鵲かささぎの巣すに居おる」と訓読する。「鵲巣鳩居じゃくそうきゅうきょ」ともいう。
ぎじむこう【疑事無功】
疑いながら、またためらいながら事を行うようでは、成果は期待できないということ。一度決めたことは決然として断行すべきであるという戒めの語。▽「疑事ぎじ功こう無なし」と訓読する。
まっぽうしそう【末法思想】
仏教における歴史観の一つ。釈迦しゃかの入滅にゅうめつ後、初めの五百年を正法しょうぼう、次の千年を像法ぞうぼう、そしてその後の一万年を末法まっぽうといい、末法の世には真の仏法が衰えて、世の中が混乱するという考え。各時期の長さには諸説がある。仏道修行者の危機意識を喚起するために説かれた。▽仏教語。