さくしのさんちょう【作史三長】
歴史書を著作・編集するのに、歴史家に必要な三つの長所。才知・学問・識見をいう。
さくぶんさんじょう【作文三上】
文章を作る工夫をするのに、適した三つの場所。馬上(馬に乗っているとき)・枕上ちんじょう(寝床に入っているとき)・厠上しじょう(便所にいるとき)をいう。▽宋そうの欧陽脩おうようしゅうの語。
さんうんきょうう【桟雲峡雨】
山中のかけ橋のあたりに漂う雲と、谷あいに降る雨。▽「桟」はかけ橋。険しい場所に、丸太や藤蔓ふじづるなどで組んでかけた橋。「峡」は山と山の間の谷。
しいそさん【尸位素餐】
ある地位にありながら職責を果たさず、無駄に禄ろくをもらっていること。また、その人。「尸位」は、人がかたしろになって、神のまつられる所に就く意で、地位にあって動かない、位にありながらなんの責務も果たさないことをいう。▽「素餐」は何もしないでただ食らうこと。「素餐尸位そさんしい」ともいう。
しゃたんしゅちょう【舎短取長】
短所や欠点を捨てて、美点や長所を選び伸ばすこと。▽「舎」は捨てる意。「短」は短所・欠点。「長」は長所。「短たんを舎すて長ちょうを取とる」と訓読する。
しゅとどうき【殊塗同帰】
手段や方法は違っても、同じ目的や結論に到達すること。行く道は違っていても、同じ所に帰着する意から。▽「殊」は異なること。「塗」は「途」に同じで、途中・みち。「帰」は帰着するところ。目的。「塗みちを殊ことにして帰きを同おなじくす」と訓読する。「塗」は「途」とも書く。また、「同帰殊塗どうきしゅと」ともいう。
ずいぎしょせつ【随宜所説】
相手の心や性質や能力に応じて、理解できるように説いた仏法のこと。▽仏教語。「随宜」は教えを聞く相手に順応すること。「宜よろしきに随したがいて説とく所ところ」と訓読する。
せいきしき【生寄死帰】
人が今生きているのは、仮にこの世に身をおいているだけであり、死ぬことは故郷に帰るように、本来いるべきところに落ち着くことだということ。▽「寄」は寄寓きぐうで仮住まいのこと。「帰」は本来の場所に帰ること。「生せいは寄きなり死しは帰きなり」と訓読する。
ぜんじんみとう【前人未踏】
過去にだれも到達したり足を踏み入れたりしていないこと。いままでだれも成し遂げたことがないということ。▽「前人」は今までの人、先人。「未踏」はだれもその場所に踏み込んでいないということ。「未踏」は「未到」とも書き、この場合はだれもたどり着いていない地点。
てんがいひりん【天涯比隣】
たとえ遠く離れていても、すぐ近くにいるように親しく思われること。親しい友人などについていう。▽「天涯」は非常に遠い所、「比隣」は隣近所の意。