きんじょうてんか【錦上添花】
善美なものの上に、さらに善美なものを加えること。本来、美しい錦にしきの上に、さらに美しい花を添える意。よいもの、美しいもの、めでたいことなどが重なることに用いる。▽「錦」は美しい綾織物あやおりもの。一般に「錦上きんじょうに花はなを添そう」と訓読を用いる。
けいだくかしん【軽諾寡信】
軽々しく物事を引き受ける者は約束を守らないことが多く、信用できないということ。▽「軽諾」は気軽に引き受けること。安請け合い。「寡信」は信用が少ない意で、信用できないこと。「軽諾は必ず信寡すくなし」の略。
けいでんらんきゅう【桂殿蘭宮】
美しい宮殿のこと。▽「桂」は香木の名。「蘭」は香草の名。「殿」「宮」は建物のこと。
こえいしょうぜん【孤影悄然】
一人ぼっちでさびしげなさま。一人だけで悲しむさま。▽「孤影」は一人ぼっちでさびしげな姿。「悄然」は憂い悲しむさま。物さびしいさま。「悄」は「蕭」とも書く。
こしょくそうぜん【古色蒼然】
ひどく古びたさま。いかにも古めかしいさま。また、古めかしく趣のあるさま。▽「古色」は年を経た物の古びた色合い。古風な趣。「蒼然」は古びた色のさま。
こふくげきじょう【鼓腹撃壌】
太平の世の形容。太平で安楽な生活を喜び楽しむさま。善政が行われ、人々が平和な生活を送るさま。満腹で腹つづみをうち、足で地面をたたいて拍子をとる意から。▽「鼓腹」は腹つづみをうつこと。「壌」は土・地面。「撃壌」は地面をたたいて拍子をとること。一説に木製の履物を遠くから投げて当てる遊びの名ともいう。「腹はらを鼓こし壌つちを撃うつ」と訓読する。「撃壌鼓腹げきじょうこふく」ともいう。
しこうさくご【試行錯誤】
新しい物事をするとき、試みと失敗を繰り返しながら次第に見通しを立てて、解決策や適切な方法を見いだしていくこと。▽「試行」は試しに行うこと。「錯誤」は誤り・間違い。
しさくせいち【思索生知】
道理や筋道を追って、物事をよく考えることで知恵が生まれてくるということ。▽「思索」は筋道を立てて十分に考えること。「生知」は知識・知恵が生まれること。一般に「思索しさく、知ちを生しょうず」と訓読を用いる。「生」は「しょう」とも読む。
しゃほんちくまつ【舎本逐末】
物事の根本をおろそかにして、末節に心を配ること。▽「舎」は捨てる意。「本」は根本の意。「逐末」は末節、つまらないものを追い求めること。一般に「本もとを舎すてて末すえを逐おう」と訓読を用いる。
じうはんぽ【慈烏反哺】
子が親の恩に報いて孝養を尽くすこと。親孝行のたとえ。情け深いからすが幼いときの恩を忘れず、老いた親に口移しで餌えさを与える意から。▽「慈烏」はからすの異称。からすは、幼いとき親が口移しで餌を与えてくれた恩を忘れず、成長すると親に餌を与えてその恩を返すという。「哺」は口中の食物のこと。