しょぎょうむじょう【諸行無常】
この世の万物は常に変化して、ほんのしばらくもとどまるものはないこと。人生の無常をいう仏教の根本的な考え。▽仏教語。「諸行」は因縁によって生じた、この世の一切の事物。
せいしほうしん【西施捧心】
病気に悩む美女の様子。また、同じ行いでも人や場合により価値に差が生まれるたとえ。▽「西施せいし心むねを捧ささぐ」と訓読する。『蒙求もうぎゅう』の一句。
せいせいるてん【生生流転】
すべての物は絶えず生まれては変化し、移り変わっていくこと。▽「生生」は物が次々と生まれ育つこと。「流転」は物事が止まることなく移り変わっていく意。「生生」は「しょうじょう」とも読む。
せいちあんこう【生知安行】
生まれながらにして人の踏み行うべき道をよく知り、考えることなく心のままにそれを行うこと。聖人の境地。▽「生知」は学ばなくても生まれながらに人の道を知ること。「安行」は心のままに行うこと。何の努力もなしに人の道を行う意。
そうこほうし【桑弧蓬矢】
桑でできた弓と、よもぎでできた矢のこと。男子が志を立てるたとえ。また、その遠大な志のたとえ。▽「弧」は弓。古代中国の諸侯は、男児が生まれると「桑弧」で「蓬矢」を天地四方に向けて射て、将来世の中に大きく羽ばたいてほしいと願ったことから。
そうめいえいち【聡明叡知】
聖人のもつ四つの徳のこと。転じて、生まれつき才能があり、賢くて先々まで見通せること。物事に通暁していて、すぐれた才知があること。▽「聡」はすべてを聞き分けること。「明」はすべてを見分けること。「叡」はすべてに通ずること。「知」はすべてを知っていること。「知」は「智」とも書く。
そくしんじょうぶつ【即身成仏】
この世の肉体のままで仏になること。▽「即身」は生身のままの意。真言密教の教義。衆生しゅじょうが、身・語・意の三密を修行することによって如来にょらいの三密と一体となり、成仏すること。
ぞくもうりり【属毛離裏】
親と子の関係の深いこと。▽「属」は付属する、つながる意。「毛」はからだの表面にあることから、陽の存在を意味して父親のこと。「離」は着く意。「裏」は血肉・母胎を意味し母親のこと。子が父親を手本とし、母親に愛育されて成長することをいう。また、子が父親の気を受け継ぎ、母親の胎内を経て生まれ出ることをいい、血肉のつながりが深いことをいう。
たしょうのえん【多生之縁】
この世に生まれる前の、多くの生を経る中で結ばれた因縁。
ちょうせいぼし【朝生暮死】
生命のきわめて短いこと。人生のはかないことのたとえ。▽かげろうの類などが朝に生まれて夕べには死ぬことから。「朝あしたに生うまれて暮くれに死しす」と訓読する。