てんもうかいかい【天網恢恢】
天が張りめぐらした網は広く、目が粗いようだが、悪人・悪事は決して取り逃がさないということ。天道は厳正であり、悪は早晩罰を受けるということで、悪事を戒める言葉。▽「恢恢」は広く大きいさま。「天網恢恢疎そにして失わず」「天網恢恢疎にして漏らさず」の略。
とうじょうしゅうこ【蹈常襲故】
従来のしきたりや方法を受け継いで、そのとおりに物事を執り行うこと。▽「蹈」は踏む。踏み行う。「襲」は受け継ぐ意。「常つねを蹈ふんで故こを襲おそう」と訓読する。略して「蹈襲」という。現代表記では「踏襲」。
どくしょひゃっぺん【読書百遍】
難解な文章でも繰り返し読めば、意味が自然と分かってくるということ。▽「百遍」は回数が多いこと。「読書百遍義ぎ自おのずから見あらわる」、あるいは「読書百遍意い自ら通ず」の略。中国三国時代、魏ぎの董遇とうぐうが弟子に何度も読書することの必要性を説いた語。
はいすいしゃしん【杯水車薪】
努力や援助がごくわずかで、なんの役にも立たないこと。わずか杯一ぱいの水で、燃えている車一台分の薪を救おうとする意から。▽「杯水」は杯一ぱいの水。「車薪」は車一台分の薪。「一杯の水を以もって一車薪の火を救うがごとし」の略。
ばじとうふう【馬耳東風】
他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すことのたとえ。もとは春風が馬の耳に吹く意。人が心地よいと感じる春風が吹いても、馬は何も感じないように見えることからいう。▽「東風」は東から吹く風。春風のこと。「東風、馬耳を射る」の略。
ばつざんがいせい【抜山蓋世】
山を引き抜くほどの強大な力と、世を覆い尽くすほどの気力があること。威勢がきわめて盛んなさま。もとは漢の劉邦りゅうほうと天下を争った楚その項羽こううが、寵愛ちょうあいの虞美人ぐびじんと最後の酒宴を催した折に、自分の盛んな力量と意気をいった語。▽「抜山」は山を引き抜くこと。「蓋世」は世を覆う、世を圧倒すること。「力は山を抜き、気は世を蓋おおう」の略。「山やまを抜ぬき世よを蓋おおう」と訓読する。