いちばくじっかん【一暴十寒】
少しだけ努力して、あとは怠けることが多いたとえ。気が変わりやすく、ちょっと努力するだけで怠けることが多いたとえ。また、あるところで努力して、あるところでそれを打ち破るたとえ。一日目にこれを日ひに曝さらして暖めたかと思うと、次の十日これを陰で冷やす意から。▽「暴」は「曝」と同じで、日に曝して暖める意。「十寒一暴じっかんいちばく」ともいう。
しんぷくのしつ【心腹之疾】
心臓や内臓に起こる治りにくい病気のこと。転じて、とり除くことや、打ち破ることが難しい敵や障害のこと。
じんかいせんじゅつ【人海戦術】
多数の人員を次々に繰り出して、仕事を成し遂げようとするやり方。機械力などを利用せず、大勢の人を動員して物事に当たらせる方法。本来の意味は、多数の兵員を投じて、数の力によって敵軍を破る戦法のこと。▽「人海」は人が多数集まっていることの形容。
はかいむざん【破戒無慙】
戒律を破っているのに、それを恥と思っていないこと。また、そのさま。▽仏教語。「破戒」は、僧侶そうりょが守るべき不殺生ふせっしょう不偸盗ふちゅうとう不邪淫ふじゃいん不妄語ふもうご不飲酒ふおんじゅの五つの戒めを破ること。「慙」は恥じること。「慙」は「慚」とも書く。
はじゃけんしょう【破邪顕正】
誤った考えを打破し、正しい考えを示し守ること。不正を破って、正義を明らかにすること。▽仏教語。「破邪」は邪道・邪説を打ち破ること。「正」は「せい」とも読む。
むじゅんどうちゃく【矛盾撞着】
二つの事柄が論理的に食い違って、つじつまが合わないこと。▽「矛盾」は同一人物の言動が一貫していないこと。食い違っていること。「撞着」も「矛盾」と同義。「盾」は「楯」、「着」は「著」とも書く。「矛盾」については「中国戦国時代、楚そ国で矛ほこと盾たてを売っていた商人が、矛を売るときには、この矛はどんな堅固な盾も突き破るほど鋭いと言い、盾を売るときにはこの盾はどんな鋭利な矛でも破れないと言ったところ、聞いていた人に、それではその矛でその盾を突いたらいったいどうなるのかと聞かれ、商人は返答に困った」という故事(『韓非子かんぴし』難なん一)がある。