いかんそくたい【衣冠束帯】
天皇以下、公家くげの正装。昔の貴族や高級官僚の正装。▽「衣冠」「束帯」はともに貴族の装束。「束帯」は衣を束ね、整える帯の意。転じて、朝廷での公事・儀式などでの正装。「衣冠」は束帯に次ぐもので、その略装。
いきんかんきょう【衣錦還郷】
きらびやかな衣服を着て故郷に帰ることから、立身出世して、故郷へ帰ることのたとえ。
いきんのえい【衣錦之栄】
立身出世して、富貴になり、きらびやかな衣服を着て故郷に帰る栄誉のたとえ。
いしょくれいせつ【衣食礼節】
日常の生活が満ち足りて、安定していればこそ、人は礼儀を知り節度をわきまえることができるということ。
えんちょうこくい【円頂黒衣】
僧の姿かたちのこと。また、僧のこと。▽「円頂」は髪をそった丸い頭。「黒衣」は墨染めの法衣ほうえの意。
かいいすいしょく【解衣推食】
人に恩を施すたとえ。人を深く思いやるたとえ。また、人を重用すること。自分の着衣を脱いで着せ、自分の食べ物をすすめて食べさせる意から。▽「推」はおしすすめる意。「衣いを解とき、食しょくを推おす」と訓読する。
げいしょううい【霓裳羽衣】
薄絹などで作った、女性の美しくて軽やかな衣装のこと。また、舞曲の名。もと西域から伝来したものという。一説に唐の玄宗が仙人と月宮に遊び、仙女の舞を見たが、玄宗はその音調を覚えて帰り、楽士にそのとおり作らせたのがこの楽曲という。楊貴妃ようきひはこの舞を得意としたとされる。▽「霓裳」は虹にじのように美しいもすそ(スカート)の意。「霓」は虹。「羽衣」は鳥の羽で作った軽い衣。天あまのはごろも。天人や仙人が着て空を飛ぶという。
しいびしょく【侈衣美食】
豪華な衣装やおいしい食事のことで、ぜいたくな暮らしのこと。衣類や食べ物に、ぜいの限りを尽くすこと。
せんえいいこう【扇影衣香】
貴婦人たちが寄り集まる優雅な会合の様子。▽「扇影」は婦人が手にする扇子の影。「衣香」は婦人が衣装に香をたきしめてよい香りを発していたこと。身分の高い婦人たちの身にかかわるものでその会合の様子を形容したもの。
だんいほうしょく【暖衣飽食】
衣食に何の不足もない生活のこと。ぜいたくな生活をすること。▽「暖衣」は暖かい衣服、「飽食」は十分な食料のこと。「暖」は「煖」とも書く。「飽食暖衣ほうしょくだんい」ともいう。