いちどくさんたん【一読三嘆】
すばらしい詩文などを読んで、非常に感銘を受けること。また、そのような詩文や本のたとえ。一度読んで幾度も感嘆する意から。▽「三」は幾度もの意。
いちもうだじん【一網打尽】
ひと網であたりのすべての魚や鳥獣などを捕らえること。転じて、犯人などをひとまとめに捕らえること。▽『呂氏春秋りょししゅんじゅう』異用いようにある、四面に網を張り、四方からの獲物をすべて捕らえようと祈っている呪師じゅしの故事を踏まえたものか。「打尽」はここでは捕り尽くす意。「打」は動詞の上につけて動作を表す助字。「…する」の意。
いちもくじゅうぎょう【一目十行】
書物などを速く読む力がすぐれていることのたとえ。一目見ただけで、すぐに十行分を読むことができる意から。▽「一目」は「ひとめ」とも読む。
いちもんいっとう【一問一答】
一つの質問に対して、一つの答えをすること。また、質問と答えを繰り返すこと。質疑応答や問題集などの一つの形式。
いっきいちゆう【一喜一憂】
状況の変化などちょっとしたことで、喜んだり不安になったりすること。また、まわりの状況にふりまわされること。
いっきとうせん【一騎当千】
群を抜いた勇者のたとえ。また、人並みはずれた能力や経験などのたとえ。一人の騎兵で千人もの敵を相手にできる意から。▽「当千」は「千に当たる」で、千人を敵にできる、千人に匹敵する意。「千」は「ぜん」とも読む。
いっこくせんきん【一刻千金】
わずかな時間が千金にも相当する意。時間の貴重なことのたとえ。貴重な時間、よい季節や楽しいひとときなどが過ぎ去りやすいのを惜しんでいう語。また、時間を無駄に過ごすのを戒める語。▽「一刻」はわずかな時間。もとは出典によって、春の夜のひとときが千金にも値するほどすばらしい意。「千金一刻せんきんいっこく」ともいう。
いっしそうでん【一子相伝】
学問や技芸などの秘伝や奥義を、自分の子供の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないこと。▽「相伝」は代々伝えること。
いっしどうじん【一視同仁】
すべてを平等に慈しみ差別しないこと。えこひいきがなく、だれかれの区別なく同じように人を遇すること。また、身分・出身・敵味方などにかかわらず、どんな人でも平等に慈しみ、禽獣きんじゅうにも区別なく接すること。▽「一視」は同じように見ること。「仁」は思いやり・愛情の意。「同仁一視どうじんいっし」ともいう。
いっしゃせんり【一瀉千里】
流れのきわめて速い形容。転じて、文章や弁舌などが巧みでよどみのないことのたとえ。また、物事が一気にはかどることのたとえ。物事が調子よく速やかに進み片付くたとえ。▽「瀉」は水が下に流れ注ぐ意。勢いよく流れ下ること。水が一気に千里もの距離を流れ下る意。