ちゅうげんぎゃくじ【忠言逆耳】
本気でする忠告とは、聞かされる方の耳にはあまり心地よいものではないが、後で必ずその人のためになるものだということ。
ちゅうこうりょうぜん【忠孝両全】
忠と孝とを、ともに完全に行うこと。また、忠と孝は本質的に同じものであるから、孝行が完全ならば忠義も全うできるということ。
ちょうけいうかい【長頸烏喙】
長い頸くびととがった口先。▽「烏」はからす。このような人相をした人物はからすのように強欲・陰険で、苦労を共にすることはできても安楽を共にすることはできないという。中国春秋時代の越えつの国の范蠡はんれいが越王勾践こうせんについて言った言葉。
ついいんらくこん【墜茵落溷】
人には運不運というものがあり、この世での境遇なども、因果応報によるものではないということ。
てつじゅかいか【鉄樹開花】
いつまで待っても見込みがないたとえ。また、きわめてまれなことのたとえ。また、固定していて不変と思われていたものが、実は変わることのたとえ。▽仏教語。「鉄樹」は鉄でできた木。また、広西に産し、六十年に一度、丁卯ひのとうの年にだけ花が咲くという木のこと。ありえないこと、また、めったに来るものではないことからいう。「鉄樹てつじゅ花はなを開ひらく」と訓読する。
てんちいっし【天地一指】
この世に存在するものは、個々の違いを越えて斉一なものであるという考え。すべての対立を超えた絶対的な観点からみれば、天も地も一本の指と同じものであるという意。
てんちかいびゃく【天地開闢】
天と地ができた世界の始まり。世界の初め。▽「開闢」は開き分かれること。古代中国では混沌こんとんとした一物が二つに分かれて天と地となり、世界が始まったと考えられていた。
でんこうえいり【電光影裏】
人生は束の間であるが、人生を悟った者は永久に滅びることがなく、存在するというたとえ。▽「電光」は稲妻のこと、「影」は光の意。「電光影裏春風を斬きる(稲妻が春風を斬るようなもので、魂まで滅し尽くすことはできない)」の略。中国宋そうの僧祖元そげんを元げんの兵士が襲って殺そうとしたとき、祖元が唱えた経文の一句。
とうせんききょ【陶潜帰去】
陶潜は世俗の煩わしさを嫌い、官を辞して故郷に帰った。このとき名文の「帰去来辞ききょらいのじ」を作ったという故事を四字句にしたもの。▽「陶潜」は東晋とうしんの詩人。字あざなは淵明えんめい。自然を愛し、叙景詩にすぐれたので田園詩人と呼ばれた。『蒙求もうぎゅう』の一句。
としゅせきけい【斗酒隻鶏】
一斗の酒と一羽の鶏。転じて、亡き友人を哀悼し述懐すること。▽「斗酒」は一斗の酒。「隻」は鳥を数える単位。昔、一斗の酒と一羽の鶏は死者を祭るのに用いたもので、もと、魏ぎの曹操そうそうが友人の橋玄きょうげんの墓を祭ったときに作った文にこの語を用いたことから。